【ゆきラボ】焼き立てのパンが食べたい
こんにちは。ドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。
仕事帰り、クリスマスのイルミネーションを吊るしているところに出会いました。今週からはクリスマスマーケットも始まり、12月が近いことを感じます。
寒いと暖かい食べ物が嬉しいですよね。ということで、今週のゆきラボは焼きたてのパンの話です。
ご飯が大好きなみなさんにとって、美味しい炊き立てのご飯が食べられること、ご飯がすすむおかずがあることは何よりの幸せだと思います。お米の銘柄や炊飯器、研ぎ方や炊き方にも気を配って、少しでも美味しく炊きあがるようにしている人も珍しくないと思います。
同じように、パン派の人にとっては、焼きたての美味しいパンが食卓に欠かせません。ドイツでは、この焼きたてのパンに並々ならぬこだわりを持つ人が少なくないのです。今回のゆきラボはこのドイツのパン事情をご紹介していきます。
ドイツパンに欠かせない、でも危険な薬品「ラオゲン」
ドイツのパンと聞いて、多くの人が思い浮かべるのがこのブレッツェル。濃い茶色の焼き色、つるりとした表面、歯ごたえのある生地に、中はもちもち・ふわふわした食感が特徴です。実はこの焼き色、Laugen(ラオゲン)という薬品の水溶液にパン生地をひたすことで生まれます。ラオゲンは水酸化ナトリウムのこと。強いアルカリ性があるので、パン屋さんにとっては、皮膚につくと強烈な肌荒れを起こしてしまう危険な薬品です。厚手のゴム手袋を着用し、万が一にも目に入ることのないよう、ゴーグルをして仕込みをするのだとか。焼くと中性化するので、もちろん出来上がったブレッツェルは安全に食べることができます。
メガネのような輪っかの形のブレッツェルが一番の定番で、これはそのまま食べたり、バターやクリームチーズを挟んで食べます。棒状に焼いた「ラオゲンシュタンゲ」や、丸い結び目のような「ラオゲンクノーテン」は、半分にスライスして中にハムやチーズや野菜を挟むことが多いでしょうか。私の一番のお気に入りはラオゲンクロワッサンです。普通のクロワッサンよりも表面のパリパリ感が強く、独特の香ばしさがたまりません。日本のドイツパン屋さんでも扱っているところがあるようなので、見かけたらぜひお試しください。
そして、日々美味しいラオゲンのパンを焼いてくれるパン屋のみなさん、どうかご安全に。
後半もドイツパンの話を続けます。
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