中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】特別な絆でつながれたウルス・フィッシャー監督とウニオン・ベルリン。それでも起こった監督交代劇

▼ 5年間育まれた監督とクラブとの愛

一つに時代にはいつか終わりがくる。

たとえそれが望まれるものでなかったとしても、どこかで決断が下されなければならない時がある。

でもそれはクラブとの永遠の別れではない。お互いの思いが衝突したわけではなく、愛がゆえに導き出された新たな一歩というのもある。互いに理解し合い、互いに信頼し合い、互いに評価し合えた間柄だからこそ、踏み出すことができたといえるのかもしれない。

物語の舞台はベルリンだ。

昨季4位でクラブ史上初となるCL出場を果たしたウニオン・ベルリン。その歴史にはこのクラブだからこそなしえた数々の背景があった。

運命の出会いが生まれたのは2018年のこと。ウルス・フィッシャーが監督としてウニオンへやってきたところから、華々しい成功ストーリーが始まった。

それまで2部リーグの常連だったウニオンだが、18-19シーズンにクラブ史上初となるブンデスリーガ昇格を果たすことになる。その後抱える戦力は大きく増強されることがない中、周囲からは《降格筆頭候補》と見られ、この挑戦は1シーズンだけの冒険劇で終わると思われていた。

(残り 4753文字/全文: 5227文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ