【フッスバルコラム】なぜドイツは終盤失速してしまったのだろう?元ケルン育成統括部長クラウス・パプストに話を聞いてみた
▼ 日本-ドイツを振り返る
日本がドイツに世紀の大勝利を挙げた。《サッカーは何が起こるかわからない》というのは使い古された言葉なんかではなかった。本当に思いもよらないことが起こるのがサッカーなのだろう。
ハンシィ・フリックはそのことをよくわかっている監督だ。一瞬のスキが相手にリズムを明け渡し、自分達のいいところを出せなくなってしまい、試合の流れをつかめなくなるなんてことはよくある話だ。
だから、ドイツに油断があったとは思わない。実際に立ち上がりから真剣に日本攻略に力を注いできていた。直近の試合で守備での不安定さが問題視されていて、4バックの陣容だけではなくポジショニングやタスクについての調整が必須だった成果は少なからずみられていた。
一気に攻めあがらずボールをつなぎながらもボールロスト時を想定したポジショニングをしていく。特にCBアントニオ・リューディガーがカウンターの起点を次々と抑えることで、ドイツは主導権を持ち続けていく。
30分ころまではドイツにボールを渡しながらも、日本はゴール前の守備をうまく固め、最後のところでよく守れていた。
そこでドイツは狙いを変えてくる。相手が守備を固めてきたときの定石は一人ずつボールに食いつかせてずれを生み出すこと。ドイツはCBがボールを持ち運び、相手が対応してくる間に、周りの選手が動き出してスペースとずれを作り出していく。それぞれマークすべき相手が変わってくるので、日本の守備対応が遅れだす。そして1人の選手に複数選手がマークに動いてしまい、他の選手がフリーになってしまう場面が少しずつみられるようになってきてしまった。
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