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中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】サッカーカードコレクション栄枯衰勢。大手スポンサーの撤退と変わるワールドカップの風景

こんにちは!先週はゆきラボを更新できなくて申し訳ありませんでした。いつも更新している水曜日が日本対ドイツと重なったこともありましたが、その前から、ONE LOVEのキャプテンマーク着用問題、イングランド代表の膝つき抗議、国家を歌わなかったイラン代表と、カタールワールドカップをめぐって様々なトピックが飛び交っていた中でもあり、ドイツの日常的な話題を出すタイミングがなかったというのが正直なところです。

少しイレギュラーなタイミングですが、今回はこのドイツの日常とワールドカップをつなぐものとして「サッカーカードコレクション」について書きたいと思います。

我が家の目の前にあるスーパーマーケットRewe(レーヴェ)は、ドイツ全国に展開するスーパーマーケットチェーン。本社はケルンにあり、FCケルンの胸スポンサーでもあるので、ロゴを目にしたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。

このRewe、ドイツサッカー協会の長年のオフィシャルスポンサーでもありました。西暦が偶数の年、つまり欧州選手権かワールドカップが開催される年の夏に、必ずReweが実施していたキャンペーンがあります。それがサッカーカードコレクションです。

10ユーロの購入ごとに袋に入ったカードが1枚もらえ、それを1~2ユーロくらいで別売りされているアルバムに入れてコレクションしていきます。Reweは定期的にこの手の企画を実施しており、ディズニーとタイアップしてディズニーキャラクターのシールを集めたり、映画公開に合わせてミニオンのカードを集めたりと、手を変え品を変えキャンペーンを展開しています。当然、子どもは親に他のスーパーではなくReweで買い物するようにせがんできますし、買い物にぴったりくっついてきては会計時に「カードください!」とレジで声を張り上げていました。

我が家もご多分に漏れず、そのときに集めたアルバムが何冊かありますが、サッカーカードコレクションは大人も本気で集めたがるという点がちょっと別格な感じがありました。子どもたちが熱心に集めていた頃、通っていた保育園の掲示板には「23番のスペシャルカードが2枚かぶりました。誰か交換しませんか?」「7番と19番だけありません。持ってる人連絡ください」という大人の字のメモが貼られていました。

Reweの駐車場や、Reweが入っているショッピングモールのイベントスペースを利用して、カードの交換会が開催されていましたし、ネットオークションにカードやコンプリート済みのアルバムが出品されているのも見たことがあります。ポケモンや遊戯王のカードのように、集めたカードを使って何か遊べるようなものではありません。純粋に、集める、コンプリートするということを楽しむカードです。子どもたちに付き合って何度かカードを集めたことのある私も、確かに全種類揃ったときの達成感はすごかったな…と記憶しています。

最盛期にはレジを出るやいなや封を開けて一喜一憂してる子がいっぱいいました

ほほえましかったのはレジの横で待機している子どもたち。10ユーロでカード1枚というのは、子どもがお小遣いでお菓子を買うだけではクリアできない金額なので、子どもたちはレジの横で誰かが高額の買い物をするのをじっと観察しています。数十ユーロ分の買い物をして何枚ものカードをもらった大人がいると、駆け寄ってきて「すみません、そのカード集めてますか?集めてないならもらってもいいですか?」とお願いしてカードを集めるのです。見知らぬ大人に勇気を出して声をかけて、きちんとした言葉遣いで頼みごとができるかどうか、子どもの社会性を養うという意味でもこの風習はなかなか悪くなかったのではないかと思います。「お、集めてるのか?がんばれよー」と気前よくカードをくれる人もいれば「ごめんねー、うちの孫も集めてるのよ」という人もいたり、そういう見知らぬ子どもからのカードのおねだりを受け止める雰囲気が、大人のほうにもありました。

最寄りのReweではレジの店員さんとも何となく顔なじみなので、少額の買い物しかしていないのに、我が家の子どもたちが集めているのを知っている店員さんが、こっそりカードを多めに渡してくれる、なんていうこともありました。
そんなカード集めの風景が一変してしまったのは2020年の欧州選手権が延期になった頃です。

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