中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】常に移りゆくインターナショナルなモダンサッカーによるトップトレンドの背景を正しく理解しているか?

※ フットボリスタより転載(加筆・修正あり)

目次—
➟ トレンドの背景を正しく知っているか?
➟ それぞれの局面で意図をもったポジショニング
➟ タスクあってのポジション
➟ アーノルドのデータから考察するSBの役割の変化
➟ サイドでのポジショニングはワイドに開けば開くほどいい?

▼ トレンドの背景を正しく知っているか?

今も昔も世界のサッカーは常に変化し、進化しているといわれる。そしてそれぞれの時代のサッカーには様々な特徴やトレンドがみられるわけだが、とかく戦術的、システム的特徴はメディアでもよく取り上げられる。

新しい言葉や概念は刺激的で、それがすべてを解決してくれるもののように勘違いしてしまうことがある。でもそのトレンドとはどのように生まれてきたのかを正しく知るのがとても重要なのだ。

-何が、なぜ、どのように変わってきているのか
-そしてそれは今後どのような方向へと向かっていくのか

それまでのサッカーにおける流れからいまの傾向や特徴を知ることで、サッカーのメカニズムを整理する作業はとても大切になる。

5月にドイツのフライブルクで開催された国際コーチ会議ではUEFAテクニカルチームのヴィリー・ルッテンシュタイナーによる「インターナショナルなモダンサッカーによるトップトレンド」というテーマでの講義があった。

ルッテンシュタイナー「カギとなるのはいつでも試合だ。トップレベルではどのようにプレーされているのか。どのように自分たちはプレーしたいのか。そして自分達のトレーニングや育成にどのように落とし込むべきなのかを考察するのが大切だ」

チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパコンファレンスリーグ、欧州5大リーグ、欧州選手権、ワールドカップを分析対象とし、ルッテンシュタイナーはここ数年間の傾向と特徴をプレゼンしてくれた。

《試合状況に応じたマルチフォーメーション》はもう新しいものではないかもしれない。例えば昨季CLグループリーグ96試合において、毎試合同じシステム・フォーメーションでスタートしたのはわずかに10例のみ。

試合ごとに、そして試合の中で相手とのかみ合わせ、試合展開/状況などの変化に絶えず順応することは《できて当たり前》のところまできていると言えるのかもしれない。

(残り 3249文字/全文: 4252文字)

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