中野吉之伴フッスバルラボ

【フッスバルコラム】直前準備が難しいカタールW杯。ドイツ代表はどのように準備を進めているのだろうか?


※ フットボリスタより転載(加筆修正)

目次—
➟W杯開催をめぐる論争がある中での準備
➟タフなプログラムを《挑戦として》受け止めるドイツ代表
➟試合ごとに適切な修正を見せるフリック
➟代表とはかくあるべきか
➟守備固めの相手に苦戦した経験を生かすには?
➟ファーストタッチでボールを運ぶ位置

▼ W杯開催をめぐる論争がある中での準備

カタールワールドカップまであと2か月。人権侵害問題や同性愛差別問題などで騒がれていることもあり、開催に関していまだにヨーロッパではその是非を問うディスカッションが耐えない。フランスでは「W杯を報じない!」という新聞まで出てきている。

そうした社会的事情に加え、各国リーグを途中で中断しての開催というこれまでに例をみない方式なので、各国サッカーファンもいつから、どんなふうに盛り上がったものかをはかりかねているようだ。盛り上がりはまだ感じない。

だからといって各国サッカー代表としては《開催ありき》で準備をすることが求められている。そして準備期間がほとんどないという大会なので直前調整が限りなく難しい。

6月の代表シリーズを1勝3分けという成績で終えたドイツ代表。イングランド、イタリア、ハンガリーと同組のUEFAネーションズリーグでは4戦それぞれに課題と収穫が見られたので、そのあたりをまとめてみた。

▼ タフなプログラムを《挑戦として》受け止めるドイツ代表

と、その前に。

5月下旬にフライブルクで行われた国際コーチ会議に、ドイツ代表を率いるハンジ・フリック監督がビデオ参加した時の話を紹介したい。

国際コーチ会議とは例年夏に3日間開催されるドイツサッカー協会公認A級、プロコーチライセンス(S級)保持者のみ参加可能のカンファレンス。2年間、コロナ禍の影響で中止・延期となっていたが今年は無事に開催された。

開催地は毎回違うので毎年次はどこで開催されるかというのも楽しみの一つだが、今回は我が町フライブルク。旅行気分が味わえないのはちょっと残念だが、自宅から自転車で10分で通えるというのは都合が抜群によかったのは間違いない。

そんな国際コーチ会議でビデオ通話でのインタビューに応じたフリックは「ドイツ代表はW杯へ向けてどのように準備しようとしているのか」という質問に次のように答えている。

「ネーションズリーグではEURO2020で決勝に残った2か国との試合がある。イタリアとイングランドだ。もちろんEUROやW杯とは別の雰囲気だが、こうした強豪相手に対抗するためのサッカーを選ぶのではなく、《今どこに自分たちがいるのか》を見ることが重要だと思っている。

選手たちはここ2年間、タフなプログラムを戦い抜いてきている。シーズン後に行われることもあり、簡単な試合ではない。だが我われはこれを挑戦として受け止め、トップチーム相手に何ができるかを見てどこに自分たちはいるのか、改善点がどこにあるのかを明らかにすることが重要になる」

(残り 3161文字/全文: 4433文字)

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