【インタビュー】日本女子プロサッカーリーグ《WEリーグ》の1年目を日独からの視点で振り返る。前編
今回は「日本プロ女子サッカーの1年目を日独からの視点で振り返る」というインタビュー記事を前後半に分けてお届けしたい。こちらはWEリーグ・女子サッカー界唯一の業界誌『 WE Love 女子サッカーマガジン』主筆の石井和裕さんとのコラボ企画になる。
石井さんとは先日の日本一時帰国時に初めてリアルにお会いすることができた。舞台は渋谷の居酒屋。いつもお世話になっている宇都宮徹壱さんとREALSPORTS敏腕編集者の中林良輔さんもご一緒で、こちらは家族同伴だったのだが、御三方はうちの子どもたちや妻にもいろんな話を振ってくれたのでとても居心地のいい時間だった。
インタビューは6月にZOOMで行ったので少し時間はたっているものの、内容的には本当に読みごたえがあるものになっている。
石井さんによる「再編成が進むドイツから見える欧州女子サッカーのプロ化最前線 ドイツ在住の中野吉之伴さんに聞く」では欧州における女子サッカーのプロ化についての話が満載なので、こちらもぜひ読んでいただきたい。
ヨーロッパのサッカー界から学ぶことが多くありそうです。
再編成が進むドイツから見える欧州女子サッカーのプロ化最前線 ドイツ在住の中野吉之伴さんに聞く – WE Love 女子サッカーマガジン https://t.co/lb76etwI0g#女子サカマガ— #女子サカマガ (WE Love 女子サッカーマガジン) (@wlwfm) September 7, 2022
目次—
➟ ポジティブな変化も見られた1年目
➟ 1年目30点という評価の理由は?
➟ 「ここにいたい!」と思える雰囲気づくりの大切さ
➟ ファンになってもらうための工夫は?
▼ ポジティブな変化も見られた1年目
—WEリーグ1年目は観客動員数でみたらそこまでの数字を残すことができなかったわけですが、石井さんからするとどのくらい目標をクリアできたとみていますか?もしできてないんだとしたら、どこに問題があったのか?あるいは目標設定そのものに問題があったのでしょうか?
石井「記者会見で岡島チェアは採点70点っていっていて、『結構いい点つけてるね』という評判だったんですけど、僕は個人的に30点ぐらいかなっていうイメージなんですよ。
ものすごく評価されるところは、リーグスポンサーにそうそうたるところがついたのは素晴らしい。Yogiboがスポンサーになったときのリリースなんかを見ると、WEリーグが打ち出したその理念であったり、今後のビジョンみたいな部分も含めてものすごく高く評価されている。
理念によってリーグスポンサーがついて、配信がついて、お金が回った以外に高く評価されていないんですけど、ここはすごく高く評価した方がいいなと、思うんです。
もう一つプラス面でいうと、試合内容にかなり変化があった。特に男子のトップチームで指導経験がある監督が入ってきて活躍された印象が強い。例えばノジマの北野監督。
これまでの日本の女子サッカーらしいサッカーというと短い距離に選手を配置して遅めのパスを繋ぎながらっていうのがあったと思うんですが、パスの距離はかなりワイドになったし、パススピードも速くなったし、縦への勢いが増した中で、フィジカルコンタクトを避けなくなったので試合内容が変わったっていうのは高い評価のポイントかなと思ってます。
ただ、ではなぜ100点のうちマイナス70になってるかというと、やはりプロリーグとして考えたときに、何か社会的意義みたいなところで、日本国中の人に『よかったね、WEリーグができて!』って歓迎される雰囲気が作れなかった。
そこの裏付けとして、観客動員があんまり良くなく、原因はいろいろあるとは思うんですけども、見に行った人も、『プロスポーツを見に行ったな』っていう満足感をもって帰れる試合って、僕の印象だとあまり多くなかった」
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