どの試合でも全員が半分以上の時間出場し、チームとして戦い抜くと決意したクラブ
こんんばんは。
管理人の木之下です。
中野が多忙により、今日は緊急で「月刊まとめ」をお送りいたします。
主筆者 中野吉之伴(【twitter】@kichinosuken)
▼5月特集「初心者コーチのためのサッカー分析講座」
vol.1「チームがボールをコントールしている攻撃時のメカニズムでは、どういうポイントで子どもに指導すべきか」
vol.2「U9年代から段階的に攻撃時のメカニズムの理解を深めるため、子どもにどうアプローチすべきかを指導者は整理しておかなければならない」
vol.3「ボールを奪われた瞬間の選択肢」を整理できているか。それを掘り下げることが子どものミスの原因を探ることにつながる」
vol.4「『攻撃時にボールを失った場合、どのような選択肢があるだろうか』。ドイツでは育成世代から3パターンを使い分けるように指導する」
vol.5「育成年代では、マンマークとゾーンの特徴を知ることが重要。そして、戦術理解を深められるゾーンをいくつか身につけることが大事だ」
vol.6「U9・11・13で守備のやり方を段階的に使い分けられるように戦術的コンセプトを持って指導することが必要だ」
vol.7「ボールを奪った後のプレーアイディアを、子どもに具体的な選択肢として明示しておくことが指導上でも重要だ」
vol.8「ルーズボールは相手よりも近いか、遠いかという単純な距離感だけが判断要素にならない。スピードや体勢なども考慮する必要がある」
▼「指導者・中野吉之伴の挑戦」スピンオフ企画
「クラブ、地域、つながりを持つオープンな環境がコーチの意識を変える」
契約する町クラブの哲学を言語化した。「誰一人見捨てない」。9月末から4年生は公式戦も練習試合も全員出場、前後半どちらかは全部出場するを実行している。最初は疑心暗鬼だった保護者も子どもの成長を見て、少し理解してきた様子。来週の保護者会が一つの集大成だ。https://t.co/AO4cqG7Ple
— 木之下潤(kinoshita jun) (@jun__kinoshita) October 14, 2018
▼連載「チームコーディネーターの挑戦」
「子どもを下に見ているのは大間違い。大人より子どもが成長は早い。」
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【過去の「月刊まとめ」】
・2017年10月の「月刊まとめ」
・2017年11月の「月刊まとめ」
・2017年12月の「月刊まとめ」
・1月の「月刊まとめ」
・2月の「月刊まとめ」
・3月の「月刊まとめ」
・4月の「月刊まとめ」
・5月の「月刊まとめ」
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私ごとですが、今週土曜日に4年生を対象に保護者会を開くことになりました。9月末から秋季リーグがスタートしたことにより、契約する町クラブでは哲学がさらに明確になりました。
その内容は「誰一人見捨てない」指導へのシフトです。
具体的に実行していることの一つは、試合と練習試合に関係なく「選手の全員出場」「前後半のどちらかは必ず全部出場すること」です。最初は保護者から「どうして先発メンバーは固定ではないのか?」などの疑問が飛んできました。
秋季リーグが始まった初戦に、11名の選手たちには「このチームにレギュラーもサブもない。どの試合も全員が半分以上の時間に出場し、チームとして戦い抜く」と宣言しました。私たち指導者はクラブの哲学を行動に移しただけのことですが、保護者にはそれがしっかりと伝わり切れていませんでした。
それがわかってからは、私自身は保護者と直接話をすることを心がけました。試合に行くたびに保護者が集まっているところに行き、全員に向けて少しだけ話をする時間をいただきながら、クラブの指導方針とその理由を必死に伝え続けました。
すると、少しずつ私に対して安心感が出てきたのか、日を追うごとに保護者の理解が進み、「私たちは子どもにどうアドバイスを送ったらいいですか?」と質問が飛んでくるようになりました。何も特別なことはしておらず、ただ選手のお母さんやお父さんとコミュニケーションを取り続けただけです。
途中で気がついたのは、保護者のみなさんが自分たちに対して様々なことが説明されておらず、クラブに対して不安や不満を持っていたことです。
だから、私は今週の土曜日が勝負だと思っています。こちらの指導哲学をあらためて説明し、選手への指導方針と保護者との関係改善のための体制、そして選手不足解消に対する取り組みを具体的に提示し、それを実行していくことをその場で約束することで、ようやくクラブとして再スタートが切れると感じています。
5月の「指導者・中野吉之伴の挑戦」スピンオフ企画で「クラブ、地域、つながりを持つオープンな環境がコーチの意識を変える」を行いましたが、私は今まさしくこの内容を実感しています。そして、コーチの意識改革には明確なクラブ哲学と指導者方針が必要不可欠です。
みなさんのクラブには、これがありますか?
クラブに関わるすべての人たちがはっきりと口にできる、合致できるクラブの哲学がありますか。これから少子化がより進むに連れ、地域で選ばれるクラブになるためにはチームとしての強さ弱さだけが重要なことではないというのが持論です。ここ数年間でそんなクラブ作りに心血を注ぎたいと町クラブ改革に取り組んでいます。そのためには指導者の意識改革は欠かせないことです。
10月も引き続き、「サッカーを指導するには何を学ぶべきか」特集を行っております。中野が心を込めて書き下ろしていますので、今月も応援のほどよろしくお願い申し上げます。