スタジアムにおける感染リスク対策の効果の調査結果(第三報)「しっかりと感染対策を行えば(何の対策を行わない場合を100とした時)94%くらい低減できる。これは非常に大きな成果(村井チェアマン)」「非常に重要なのは観客の方とスタジアムの協力がミックスされている。これは世界中見ても日本がかなり進んでいる(産総研・保高氏)」
5月11日、第5回実行委員会が行われ、その後メディアブリーフィングが行われた。
今回の会見の中では、名古屋グランパス、FC東京、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズの4チームが協力し先月から行われていた感染対策の効果を確認するための調査結果が発表された。
今回の調査では、マスク着用率の計測結果、レーザーレーダーによる分散退場の効果測定および、これまで得られたデータに基づくスタジアムにおける感染リスク対策の効果の評価について、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)の保高徹生氏が説明を行った。
今回の結果を踏まえて、Jリーグの村井満チェアマンは「しっかりと感染対策を行えば(何もしない場合)100%のリスクが94%くらい低減できる。これは非常に大きな成果だと思います。ファンサポーターや関係者の皆様のご努力の成果だと思います」とし「今後も予断を許さない状況が続いていきますが、スポーツをしっかり守っていくことと、こうした対策を講じることは荒唐無稽なことではないと社会にもしっかりとお伝えしていきたいと思います」とコメント。
そして今後に向けて「去年とは全く違うウイルスの感染力を伴っているので、過去これで大丈夫だったからということではなく、常にバージョンを変えながら(感染対策を)進化し続けていかないと相手のウイルスも変異していますので、油断なく対応していきたい」と引き続き感染対策力を入れて、安全安心なスタジアムの実現に向けての決意を新たにした。
また今回の調査結果を振り返って、産総研の保高徹生氏は「非常に重要なのは観客の方やスタジアムのご協力がミックスされている状況で、これは世界中見ても日本がかなり進んでいます。Jリーグと各クラブ・サポーターの皆様の取り組みがすごく特徴的だと感じました。今後このミックスされた取り組みがうまく連携して続いていけばいい」と総括した。
今後は、Jリーグ、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレと連携して、スタジアムにおけるマスク着用率の継続的な評価を実施すると共に、今回の報告に含まれていないマイクロホンアレイによる観客の声援に関する計測結果を統合した分析を進め、スタジアムでの観戦の際の新型コロナ感染リスクと対策の指針作りなど新型コロナ感染リスク評価、対策効果の評価を進める、としている。