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【ニュース】第56回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。声出し応援の実証検証について。「私もカシマスタジアムの大歓声を見させていただきまして本当に感動しました。応援がいかに大きいものなのか身を持って見させていただきました(賀来座長)」

6月20日(月)、JリーグとNPB合同の「第56回 新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われ、会議後にWEB上で記者会見が行われた。

会見には感染症専門家の賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)、三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)と舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)、NPB(日本プロ野球組織)斉藤惇コミッショナー、野々村芳和Jリーグ チェアマンが出席した。

会見での出席者の主なコメント(抜粋)をお届けしています。

(※お詫び:冒頭、編集部の音声ドラブルで聞き取れず、野々村チェアマンのコメントは途中からの発言となります)


○野々村芳和Jリーグ チェアマン

(声出し応援の実証検証を行った)鹿島と東京Vの会場にいた方へサポーターの方にアンケートを取っています。詳細は後日Jリーグから発表させていただきますが、(アンケートの中で)声出しをすることで楽しさが増したと答えた方が96%いました。声出しNGエリアにいた方も(声出しが)あった方がいいという方が91%、声出しNGの観客席にいた方で自分も声出しに参加したいという人が71%でした。細かい所では選手の声が聞けなくなって寂しいという声もありましたが、詳細は明日Jリーグから発表させていただきたいと思います。

※画像は前回(6月6日)のものです。

○賀来満夫 座長(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)
私の方からは現在の世界と日本の感染状況について説明させていただきました。また地域アドバイザーの先生方からも各地域の感染状況についてもあわせて説明していただきました。
世界的にも感染状況が落ち着いてきていて、日本でも今完全に下がり切ったわけではありませんが下がっている状況です。ただアメリカやヨーロッパなど規制緩和が進んだ国で、新たなオミクロン株の変異株であるBA4、BA5、BA.2.121などが検出されてきていて、アメリカではBA.2.121やBA5が大きな主流になってきています。感染者がヨーロッパを中心に次第に増えてきていますし香港でも増えてきていることは事実です。ただ一方で重症例が見られなくなってきているので、今後日本でもこの状況を踏まえながら次にどう対応していくのか考えていく必要があります。また秋冬に入ってくると、南半球のオーストラリアではインフルエンザの流行が始まってきていますので、今年の秋冬はインフルエンザとの同時流行もしっかりと視野に入れていかなくてはいけないという話をさせていただきました。

またJリーグの声出し応援についての実証結果が示されました。私もカシマスタジアムの大歓声を見させていただきまして本当に感動しました。応援がいかに大きいものなのか身を持って見させていただきました。非常に細やかにマスクの着用率やCO2濃度などもしっかりと検証しながらマスクの着用率も非常に高いことを見させていただきました。こういったしっかりとした実証データを踏まえて、ステップを踏んで進んでいかれる姿勢は本当に素晴らしいと私たちも思っています。
またこれまでプロ野球とJリーグでは定期的な検査を行ってきました。今もおこなっているわけですが、こういったデータは非常に大切なデータで他の集団ではないデータです。今感染状況が確実に落ち着いてきたことがわかる客観的なデータも示されました。このデータも非常に素晴らしいデータで、こういった実証データを踏まえながら進んでいく事が非常に重要だということを再認識させていただいて、非常に強く支持をさせていただきました。

○三鴨廣繁 氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)
私が思うに、今流行している言葉にSDGsという言葉があります。我々もスポーツ文化を守るために我々も協力させていただいてきましたが、コロナ禍においても進んでこれたなと思います。先ほど賀来先生が言及されましたが、検査頻度もデータに基づいて変動させていく事も1つのSDGsだと思います。国の政策の1つであるSDGs2030年までにということですが、コロナ禍の中でもNPB・Jリーグの施策に反映できていることを誇りに思っています。チームや選手・スタッフの努力だけではなく、サポーターファンの方の協力いただいているかがデータに表れていると思います。まだ変異株の問題があって、小さい山大きい山かわかりませんがまだまだ完全収束というわけにはいきませんが、臨機応変に施策を変えながらできていることを強調したいと思います。

○舘田一博 氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)
今日の会議の中では確実に日常を取り戻しつつあることを確認するとともに、ただこういう状況の中で100%ガードを下げてしまうとまた同じことを繰り返してしまうので、慎重にステップバイステップで進んでいく事を確認させていただきました。

先ほどチェアマンからもありましたが、NPBもJリーグも執行部の皆さんの努力と共にファンの皆さんのご協力をいただけることが、ある意味ですごいことが日本の中でできているんだなと改めてお話させていただきました。声出しをやるエリアにおいて99%以上の人が協力してくれて一緒にやってくれることは海外ではあり得ないですよね。それができることが日本の1つの大事な強さだと思います。それが数字として証明されたことが確認できたことが大事ですし、その事をいかにファンの方にフォードバックしていく重要性を協調させていただきました。どういうふうに戻していくのかメディアの皆さんのご協力もいただかないといけないと思いますが、海外では決してあり得ないことをファンの協力によってできていることを伝えていかないといけないと思います。

また、週末に日本環境感染学会という会合があり、世界保健機関(WHO)に20年以上勤めていらっしゃる進藤奈邦子先生にご講演をいただきましたが、WHOの視点から見ても、日本の感染対策のあり方について非常にうまくいっているという認識であることを共有いただきました。NPB・Jリーグの活動が正しい方向性でやってきたこと、それがWHOや海外から見ても評価されていることは非常に大事な情報だと思います。

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