「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 J1第31節 福岡-横浜FM】「相手の質の高さに簡単にやられたことがこの試合のすべて」/長谷部茂利

2023明治安田生命J1リーグ 第31節
日時:2023年10月28日(土)14:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/13,855人
結果:アビスパ福岡 0-4 横浜F・マリノス
得点:[横浜FM]アンデルソン ロペス(19分、25分)、植中朝日(48分)、宮市亮(90+9分)

◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「うまくいきませんでした。いった場面もあった、自分たちの色を出して前から守備をするところなど。対応してみましたが、シュートに繋げられそうな、ショートカウンターに繋げられそうな場面も0ではなかったと思いますが、全体的に前半はあまり良くなかったと思います。数回のカウンターで失点を簡単にしてしまったので、相手の質の高さに簡単にやられてしまったところが、このゲームのすべてだったなというふうに思います。

ただ、後半なって、選手たちもまた切り替えて、ある意味、自分たちが捨て身ではないですけれども、そもそもリスクを負って自分たちは点数を取りに行っていた、守備もしていたと思うので、そういうところでは少し良くなった。自分たちがボールを動かせた。相手がリードしている分、もう得点はいらないというスタイルなのか、少し攻撃力が収まっていたのか、正確には分かりませんが、自分たちの色を出すことは後半の方ができていたと思います。最後の4失点目は、あれだけのリスクをかけて点数を取りにいっていたので、そこは致し方ないですけれども、自分たちはできる範囲で得点を取りたかった。0得点でしたけれども、自分たちの出せるものは出そうと選手たちはトライしてくれたというふうに思っています。決して引きずることなく、1週間後にまた大事なゲームがあります。今日のゲームも大事でしたし、1週間後も大事です。そこに向けて身体の回復と心の調整をしっかりして挑みたいなと。そういうふうに準備したいなというふうに思っています」

Q:確かに失点シーンはやられてしまったという感じはありますが、高い位置からボールを取りにいっていましたし、ボール奪取回数で相手を上回り、その位置も高かったように思います。あそこで1点を取れていれば、また違った展開もあったのではと思いますが、いかがですか?
「それをプランというか、考えて選手たちに実行してもらっていました。選手たちもやっている中で、守備のところははまっている、けれど攻撃のところが少し良くなかった。それはボールを奪った直後であったり、ディフェンスラインでボールを動かしてるときに、そこからどこにどういうふうにボールを入れていくかというところがうまくいかなかったのが前半だったと思います。でも十分に良い戦いをしていただけに、失点がもったいなかったなと思います」

Q:最後の1失点を除いても3失点なので、守備の部分をということはあると思いますが、前節の川崎戦もそうでしたが、守りはもちろん大事ですけれども、得点を取ることで相手の特長を消してしまうという戦い方も身に付ける時期に来ているのかなという気もしますが、いかがでしょうか?
「時期、ときというのはなかなか難しい。表現もそうですけれども、それが今なのか、1週間後なのかというのはすごく難しいと思うんですけれども、自分たちが目指しているもの、『こうだ』というものを提示している中で、うまくいかないこともあると思うんですね。それが天皇杯、リーグ戦の川崎戦、今日の試合というところで失点が多くなってしまったところはあると思うんですけれども、私が選手に話すのは、それをも自分たちで乗り越えていかなくてはいけない。だから、失点してもいいから攻撃力上げていこうという話はしていません。自分たちのスタイル、私が選手たちに要求してることは無失点で複数得点で勝つことを求めています。それは私がここで監督をしている以上続くと思います。ですから、3点取られても4点と取って勝とうということはないですし、点数を取られてもいいからというふうにはしないと思います。現状はそういう考えでいます」

Q:今日は約1万4000人ほどのたくさんのサポーターの方がいらっしゃっていました。そのみなさんの熱量というのは感じられましたか?
「感じました。ゴール裏のサポーターが主導して、メインもバックも手拍子も含めて自分たちにパワーを送ってくれました。情けない結果になってしまったんですけれども、最後に選手たちを鼓舞するような拍手や声掛けというのが少し見えたし聞こえたので、それは幸いだったなと思います。次は勝つところが見たいなというような、そういうふうに勝手に前向きに捉えています」

Q:山岸選手ですけれども、試合中、いろいろ判定などを巡っていつもよりストレスが抱えてのプレーだったような印象でしたが、山岸選手の評価をお願いします。
「高いです。チームを引っ張ってくれて、攻守にわたってチームを良い方向に向けています。今日のジャッジのところは、本人だけではなくて、私も、アビスパのすべての人たちが不満を持ったと思いますが、ジャッジは主審がすることで我々ではないので、そこに従ってやらなければならない中で、いいプレーがたくさんあったと思います。ただ、ジャッジが彼にとってはクエスチョンのところはたくさんあったと思います。多分2、3回ではないと思います。けれど、そういうところにも打ち勝っていかないといけないというのが、今の我々の立ち位置だと思います。横浜のファールを取る、もしくは少し倒れたときにゲームを止めるとか…。確かに(横浜F・マリノス)強いチームでACLもあって保護しなくてはいけないとか、そういうことがあるのかもしれませんけれども、我々も同じように扱っていただきたかった。それは試合を通して感じました」

Q:マリノスの3ゴールのところは、縦に鋭く、そして質も高いというところで、もちろんアビスパも、カウンターだけじゃなくて、ボールを持ちながらもそういうところは大事にされていると思います。そういった意味では、今日のマリノスから得たものというのは結構あるのかなと思いますが、その辺りはいかがでしようか?
「良いものを見せられたと言うか、やられてはいけないんですけれども、彼らのそういうカウンターの質の高さ、分かってはいましたが抑えることできなかった。自分たちは得点に繋げることができなかった。その差を感じながらも、良いところは真似していいと思います。それぐらい質が高かったと思います。簡単には真似ができないのも分かっていますが、良いものは良いというふうに認めることも大事だと思っています」

Q:先ほど、ひるむことなく1週間準備をするとおっしゃいました。ロッカールームで選手に話したこと、1週間後に向けて、どのようにして立ち向かっていくのかという点について教えてください。
「今ここで最初に話したことと同じことを話しています。伝えたかったことの一つに、自分たちは前年度チャンピオン、今は優勝争いをしてる横浜F・マリノスに対して何もできなかったわけではない。4得点取るチャンスはありました。大きなチャンスじゃなかったかもしれませんが。ですから、よく戦ったという中で、自分たちの立ち位置というのは、フロンターレ戦もそうですし、今日もそうですけれども、少しずつ上げてきて、一歩ずつ進んでいるんだということを伝えました。だから今日は4点取られて負けてしまったけれども、ファン、サポーターに申し訳ない気持ちはあるけれども、でも、次の試合に向けて心と身体を良い状態にして挑めるように持っていこうと。いい意味で切り替えてと。そんな話をしました」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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