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石井紘人のFootball Referee Journal

無料:受け継がれる日本人アシスタントレフェリーたちのW杯での経験【山下良美主審、坊薗真琴・手代木直美副審FIFA女子ワールドカップ帰国後会見③】

828日、JFAハウスにて、FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド2023で開幕戦などを担当した山下良美レフェリー、坊薗(ぼうぞの)真琴・手代木(てしろぎ)直美アシスタントレフェリーの会見が行われた。まずは大会を振り返り、その後で質疑応答の場が設けられた。

――(大会の基準を作る)開幕戦に抜擢されて、ニュージーランドも魂がえぐられるような良い試合をみせてくれました。女子W杯の流れを変えるような試合だったと思うのですが、開幕戦で感じたことや、抜擢された心境と準備をお聞かせください。

 

山下「(大会前でのトレーニングでは)とにかく、大会が開幕して、どの試合の割り当てが来ても良いように、常にそれだけを考えて準備していました。もちろん、開幕戦という事で喜びもありましたけど、それ以上にその試合に向けての準備を強く心掛けていました。例えば、チームの分析であったりとか、どんなことが起こるかっていうのを考え準備して、実際試合の中でも準備が活きました。三人(トリオ)の中でも凄くコミュニケーションをとり、凄く良いコミュニケーションになったので、いつ試合があってもいいように準備してきた結果が出ました。

試合中も開幕戦ということにとらわれず、とにかく試合を良い試合にするのだという気持ちをずっと持って、行うことができたなと思います。」

 

坊薗「(私たち審判員への)開幕戦の発表は18日の午前中でした。FIFAが(プレスリリースを)出すタイミングとほぼ同じなのですが、(W杯にノミネートされた審判員)皆の前で名前を呼ばれました。もちろん、皆がドキドキしながら聞いていました。

先ほど、山下さんが言った通り、どの試合に当たっても良いように(心掛けていて)開幕戦も含めて心の準備、体の準備もしていたので、選ばれた瞬間“きたか”って感じでした。

ですが、特別こう“わぁ(やった)”という気持ちはなく“そうか”って感じで、すっと受け止めました。

そこから、すぐにニュージーランドに行かなければならないので、翌日の早朝、凄く早い時間にニュージーランドに出発したので、喜びに浸る余裕もなかったです。なので、発表されて、すぐに準備して、翌日出発でしたので、いつも通り過ごして準備できたかなと思います。」

 

手代木「トレーニングの段階から山下さんが凄く調子が良くて、なんか(開幕戦のアポイントが)来るのでは?という気持ちだけはありました。山下さん(割り当てを)引いてきそうだな、と。客観的に(山下レフェリーのトレーニングを)見ていてもそういうのを感じて、発表の時も“あーやっぱり山下さんが割り当てられた”と思って、客観的に見ていました。

そのあとトレーニングに行って、部屋に戻ってきて携帯を見たら、たくさんの方から『頑張ってください』というメールをいただいて、本当に皆が応援してくれているのだと感じて凄いどんどんこう緊張していって、その緊張が“開幕戦やるのに大丈夫かな”という不安になりました。ですが、それと同じタイミングで、日本人男性三人トリオでW杯開幕戦を担当された方がいて、その一人の方から凄く的確なアドバイスとメッセージを頂きました。それを聞いたときに、“あぁ私はすごく幸せなことができるんだな”とそこで少し冷静になって、試合前も試合中も全く緊張することもなく、いつも通りやればいいんだと冷静に出来たと思います。」

 

――差し支えなければ、メッセージをくれた方は?

 

手代木「相樂(亨)さんです。副審の先輩です。」

――準決勝の割り当てが急きょ(4th予定が割り当てなし)変更になりました。過去のFIFAの大会でも見たことがなかったのですが、コメント出来る範囲内で内幕を教えて頂ければと思います。

 

山下「前日の夜ですかね。突然呼ばれて『明日の割り当てはなくなります』という事だけを伝えられました。なので、理由も何もわからないですし、なくなったんだという事だけを知りました。審判員の仲間も知らない状態で、4thとして割り当て予定の試合を見に行くことができたので、会場に見に行ったのですが、隣にいた審判員の仲間から『えっ!?』って言われて、“(4th予定なのに)なんでいるの”って感じでしたね。」

 

――そこからどういった経緯で決勝の割り当てになったのでしょうか?

 

山下「(準決勝の4thがなくなって決勝の4thになった)そのつながりもわからないですし、理由もわからないので、ただ(準決勝の4thの割り当てが)なくなったという事と、決勝戦もいつも通りに皆の前で割り当て発表があったという感じです。」

 

――動画で割り当て発表の瞬間を拝見したのですが、アメリカの方が呼ばれてすごい祝福モードでしたが、いつもあんな感じなのでしょうか?

 

山下「そうですね。はい。どの試合でも割り当てがもらえるという事はうれしいことなので、自分自身が割り当てもらえたら嬉しいですし、割り当てを貰った審判員は本当に祝福したいという気持ちが強いです。さらには決勝戦なので、みんなでそういう雰囲気になります。」

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