無料GKルール解説:ゴールキーパーのスロー、パントキックは妨害してはダメ?レアル・マドリード×リバプール戦のベンゼマのゴールも欧州レフェリー界で判定は真っ二つ
2022J1第11節、鹿島アントラーズ×ジュビロ磐田戦の68分のシーンがネットで話題のようだ。
GKクォン・スンテがキャッチしたボールを保持し、蹴りやすい位置まで前にいってパントキックをすると、横にいたファビアン・ゴンザレスが足を上げる。
ボールはゴンザレスの上げた足に当たり、ゴールに吸い込まれた。
だが、このゴンザレスの行為は、競技規則第12条
・ゴールキーパーがボールを放そうとしている途中、ゴールキーパーがボールを手から放す、キックする、またはキックしようと試みるのを妨げる。
ゴールキーパーがボールを手でコントロールしていると判断されるのは、次のときである。
・ボールがゴールキーパーの両手で持たれているとき、またはボールがゴールキーパーの手と他のもの(例えば、グラウンド、自分の体)との間にあるとき、ボールに手や腕のいずれかの部分で触れているとき。ただし、ボールがゴールキーパーからはね返った、またはゴールキーパーがセーブした場合を除く。
・ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき。
・ボールを地面にバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき。
ゴールキーパーが手でボールをコントロールしているとき、相手競技者は、ゴールキーパーに挑むことができない。
が適用される行為である。GKクォン・スンテに対して、1m内のポジションでコースを限定し、キックする前に足をあげており、「妨げているという解釈になる」と『Jリーグジャッジリプレイ』にて家本政明氏は解説した。
シンプルにファウル行為に思えるが、話題となった背景には2018年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦のレアル・マドリード×リバプール戦のインパクトがあるからだろう。
51分にボールをキャッチしたGKカリウスが即座に右手でスローすると、至近距離にいたベンゼマが出した足に当たり、ゴールへと吸い込まれた。
この試合では、レフェリーはゴールを認めている。スローがそもそもベンゼマのコース側であり、またベンゼマの足が不必要に上がっておらず、インターセプトのような格好だったからか。
だが、家本氏によると、このベンゼマの行為は、欧州レフェリー界でも議論が真っ二つに分かれているという。
つまり、基本的に、GKのスローやパントキックの妨害は認められていないということだ。