石井紘人のFootball Referee Journal

無料:選手が夢中になって、観客も夢中になって、色んな感情、その試合で得られる・心を動かされるような試合に審判員として関わり、サポート出来たら嬉しい【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会会見③】

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1018日、FIFAワールドカップ(W杯)2022カタール大会に選出された山下良美レフェリーのオンライン合同取材が行われた。

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オンラインではあるが、囲み取材のように、一人が23つの質問を続ける形で進められたので、意訳もあるが全文を掲載したい。

山下良美レフェリー「J1は全ての面で日本のトップ」と感じたが「J1の試合を担当するという準備で臨んだので審判員として驚きはなかった」

W杯のピッチに立つことで得るものがあると思いますが、それを今後にどのように繋げたいですか?

 

「どう活かしていけばいいのか、そこまではまだ考えられていません。どういう経験をするかは分かりませんが、そこで感じたこと、経験とか思ったことを伝えることはしたいと思っていますし、必要だと思っています。」

 

―世界トップの試合に臨むにあたり、精神面や体力面で準備してきたことはありますか?

 

「やっぱりスピード、その中でも判断スピードが大切かなと思っていますし、意識しています。」

 

―判断スピードで特別意識していること、難しいと思う所はありますか?

 

「特別なことは無いですね。環境は違いますけど、いつも通りのことに自信をもって臨みたいという気持ちはあります。」

 

―判断スピードを上げるためにやっていることはありますか?

 

「映像分析などのトレーニングをしています。分かりやすいところで言うと、判定とかを映像で見てトレーニングをしています。」

 

―映像を見て、自分ならこうジャッジするという感じでしょうか?

 

「そうですね、自分自身がレフェリーになったつもりでやっています。」

 

―実際にその効果は実感していますか。

 

「どうなんでしょうか()実感はわかりません。」

 

―前回より上手くできたなとかはありますか。

 

「特に。それぞれの試合で、こっちの試合の方が良かったとか、そういった思いを今まで感じたことがないんですよね。やっぱり、どの試合も「こうしなきゃいけなかったな」などの反省点はあります。」

 

―今大会、他にも女性の審判員が選ばれていますが、会って話したいことはありますか?

 

「一緒に参加するメンバーは今までにも会ったことがあるメンバーで、この間も会う機会がありました。会った時には「お互いに頑張ろうね」と(話しました)。その時の気持ちをそのままW杯のカタールの地で会っても「頑張ろうね」という話をしたいなと思います。」

 

W杯というのは昔から知っていたと思いますが、自分がW杯に参加する立場になって、過去からどういう心境の変化がありましたか?

 

W杯は、雲の上のような、夢のまた夢といつも言っているのですが、そんな気持ちで、W杯を目標と持てるような大会ではなくて、それ以上のものという感覚でいました。

実際にW杯(レフェリーノミネート)が決まってからは、「そんなこと言っていてはいけない」と思い、口にしてはないですけど、サッカーに関わる者としてのW杯の存在自体は同じような感じではあります。

それだけ(の大会に選出されたということは)自分自身を、審判員として活動する限りは頑張らないといけないという気持ちになりました。」

 

W杯だからこそ意識していることがあれば教えて下さい。

 

「私は常に、次に担当する試合が『試合の中で選手が夢中になって、観客も夢中になって、色んな感情、その試合で得られる・心を動かされるような試合に審判員として関われたら、サポート出来たら嬉しい』なと。それを目指して審判をしているので、W杯は常にそういうことを目標にしている大会だと思います。私は、さらに目指して、そういった環境を作りたいと思います。」

 

W杯という最高峰の大会だからこそ、より一層、今までの思いが積み重なってくるということですよね。

 

「そうですね。自分自身のサッカーに対する思い、W杯に対する思い。そして色々な人の色々な思いがありますよね。それを一緒に、それと共にW杯に参加できたらいいなと思っています。」

 

―レフェリーの楽しさや魅力を感じたのはいつからですか?

 

「最初は分かっていなかったですね。いざやってみると、ボールを追いかけ、フィールド上を駆け回って、サッカーのフィールドに立てるっていう魅力が最初に感じたレフェリーの楽しさですね。その魅力は審判員になってすぐに感じたことです。」

 

―現地で、試合以外で楽しみにしていることはありますか?

 

「考えてなかったですね()試合の事しか考えていなかった。でも、毎日いつも湯船につかるので、その時はリラックスしたいなと思います。」

 

―サッカー界にVARが浸透しています。「どこまでを機械に頼るべきか」と割り切りなど感じていることはありますか?

 

「サッカーを見る人達の環境が変わってきて、試合を楽しむ人たちはスタジアムだけじゃないので、そういうテクノロジーの進歩によって、サッカーもそうやって変わっていくのは必要なことだと思います。VARも、もちろん凄くポジティブに感じています。

でも、これをいっていいのかわからないんですけど、マラドーナの神の手とか無くなるのは寂しい気もします()

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