無料:ベルギー×モロッコ戦のクルトワの行為をどのように対応したか?【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会帰国後会見③】
本日、女性として初めてFIFAワールドカップ(W杯)のレフェリーにノミネートされ、2022カタール大会で六試合の4th(第四の審判員)を務めた山下良美レフェリーがオンラインにて日本サッカー協会(JFA)のメディアブリーフィングに登壇した。
「6試合を担当しましたが、試合以外の面でも大会前、大会中と私自身としてはやるべきことを精一杯やったと思います。大会を通してやはり一番はサッカーのすごさを感じて、よりサッカーに魅了されて帰って参りました。画面の上からでも見えますけど、見ている人たちの感情の変化、嬉しさを爆発させていたり、悔しくて涙を流したりとか、サッカーというスポーツがどれだけ心を動かせるスポーツなんだ。そういう凄さを感じました。」と挨拶を行い、質疑応答となった。
―ベルギー×モロッコ戦後にGKクルトワが審判団のベンチに拳を叩きつけたと動画付きの報道があったのですが実際目の前で見られたのでしょうか?
「実際は、私は目で見ていないので音で気づきました。私は第四の審判員だったので、それを近くにいたマッチコミッショナーと共に(確認して)。審判員としてすべき対応をしたという感じです。」
―具体的にどのような対応をされましたか?
「審判報告書に記入をしました。」
―その場ではクルトワ選手に特に何もせず、声かけなどもしていない?
「そうですね。」
―音を聞いた時の率直な感想は?
「第四の審判員として『誰が何をしたのか』を考えていました。」
―ベルギーも負けたことで気がたっていたと思うのですが、そういった意味でW杯の真剣味を感じましたか?
「どの試合も選手の顔とか雰囲気とか、本当に国を背負って戦う想いみたいなものが選手から伝わってくるので、それはやはりW杯なのだなと思いました。」
―W杯に参加し、第四の審判員として感じた重さとか難しさはありましたか?
「W杯だけではなく、審判員には大きなプレッシャーや責任があると思っています。それは主審でも副審であっても第四の審判員であってもVARでも一緒だと思います。
もちろん、W杯は見る人が多いので、それだけ大きなことになる可能性が高く、より責任が重くなると思うのですが、でもそれはどの試合も同じように感じることです。
そういうことが起こらないように予防したり、起こってしまったらそれに対応できるように準備するのが審判員としての役割かなと思っています。」
―もしご自身にSNSなどで批判があったら、どのように自分を守りますか?
「それはおそらく審判員も選手も同じなのではないかと思います。そういう面に関しては、どう予防していいか、どう対応していいか、まだまだ私も分からない所もあります。起こったことに対して、周りの人たちと相談しながら対応をするのか・しないのか含めて、自分一人で解決しようとしないようにしたいなと思います。」
―W杯で忘れられないようなシーンはありましたか?
「これというシーンはないのですが、やっぱり90分通して緊張感を持って腰にあるボタンに手を当てて集中していたという印象がすごく強いです。」
―試合に集中しきっていたという事ですね。
「そうですね。第四の審判員として、試合を良いゲームにすること。そのために主審や副審に良いサポートができるようにという事だけをとにかく考えていました。」
―色々な審判員をみて、自分自身もっとスキルアップしたいなと思う所はありますか?
「自身の雰囲気も含め、『どう見えるか?(表現力)』とか、『判定』ももちろんですし『動き』、『コミュニケーションの取り方』とか、すべて常に変えたいと思っていますけど、それをより感じました。」
―四年後のW杯をどのように見据えていますか?
「私はもともと目の前の一試合一試合を積み重ねてきたので、それはこれからも変わらずに目の前の一試合を全力投じていきたいと思っています。」
―今後の課題や感じたことはありますか?
「何をすれば良いか分かれば凄く良いのですけど、正直何をどうしたらいいか分からないです(笑)まずはW杯に日本人の審判員が継続して参加すること。その人数が多ければ多い方がいいと思いますし、常に頭に置いていかなければならない事だと思います。
そのためにどうしたらいいかというのは、今回W杯に参加しましたけども、自分が何をどう伝えていけるのかというのは、ずっと考えていかなければいけない事だと思っています。」
―審判委員会のミーティングというのはこれからですか?
「まだしっかり報告はできていないです。」
―現地のトレーニングで厳しさはありましたか?
「全く問題ありませんでした。W杯のフィットネス面を女子W杯と比べると女子W杯の方がきついメニューをやっているなと(笑)つまりトレーニングは一緒という事です。」