石井紘人のFootball Referee Journal

無料:世界トップのレフェリングを見て感じた事とは?ドイツ×コスタリカ戦で女性のトリオがW杯デビュー【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会帰国後会見②】

本日、女性として初めてFIFAワールドカップ(W杯)のレフェリーにノミネートされ、2022カタール大会で六試合の4th(第四の審判員)を務めた山下良美レフェリーがオンラインにて日本サッカー協会(JFA)のメディアブリーフィングに登壇した。

6試合を担当しましたが、試合以外の面でも大会前、大会中と私自身としてはやるべきことを精一杯やったと思います。大会を通してやはり一番はサッカーのすごさを感じて、よりサッカーに魅了されて帰って参りました。画面の上からでも見えますけど、見ている人たちの感情の変化、嬉しさを爆発させていたり、悔しくて涙を流したりとか、サッカーというスポーツがどれだけ心を動かせるスポーツなんだ。そういう凄さを感じました。」と挨拶を行い、質疑応答となった。

 

―次にW杯を目指す方へのエールと自分自身初めて参加して道を開いた立場をどう感じていますか?

 

「今回大会に参加することが出来た事。そして女性の審判員(ステファニー)がW杯の試合を(ブラジルのバックとメキシコのディアス)トリオで担当することが出来た事。また一人の副審が決勝トーナメントの試合を担当した事はこの先に繋がっていくべき、いってほしいことだと思っています。

これがここで終わってしまっては本当に意味がないので、この先にまた継続していけるように私自身もまた頑張っていきたいなと思います。」

 

―具体的にどのような活動をしていきたいとかありますか?

 

「私が出来る事は、私はやはり審判員なので試合を担当する中で、W杯で感じた凄さを自分が担当する試合で、それを見ている人たちに伝えることで、それが広がっていったらいいなと。私が出来るのはそういう事だと思っているので、私自身は自分が担当する試合に全力を注ぐことかなと思っています。」

 

―審判員の立場から見た今大会全体の印象についての話をお伺いしたいです。

 

「大きな変化はなく今まで通りかなと。前回のロシアW杯ではVAR導入の大きな変化がありましたけど。ただ、私自身が初めて大会に参加したのでその違いは分からないというのもあります(笑)」

 

―参加して、イメージと違った部分はありましたか?

 

W杯ということで、私自身も違いがあるのだろうなと思って臨みました。(冒頭に語ったように)サッカーの凄さとかサッカーというスポーツに魅了されたという凄さはありましたが、それと一緒にサッカーはサッカーで一緒のものだなと両方を感じたのは私の中では大きなこと。

審判員としてサッカーの魅力を引き出すのが審判員としての目標と言っているのですが、それに間違いはないなと気付かされた大会でした。」

 

W杯を見ていて、国ごとにレフェリーに違いがあると感じたのですが、日本の審判との違いは感じましたか?

 

「女子W杯に行っても思ったことなのですが、海外に行くといつも個性というのは凄く感じます。今回もこのW杯で担当したレフェリーをみても個性を感じたので、それは国としてというよりも、それぞれのレフェリーの個性なのだろうなと思ってみていました。

日本の審判員との違いというのが分かればいいのかなと思うのですがなかなか。私は違いは個性と感じていまして、日本の審判員もそれぞれ個性があると思うので、それを比較するのは難しいなと思いながら見ていました。」

 

―僕が思うに、日本の審判員は所作がきびきびしているという印象を持っているのですが、如何でしょうか?

 

「日本の良さとかがあるのであれば、是非それをどんどん使って、ストロングポイントをよりもって臨みたいなと思います。」

女性初のワールドカップレフェリー山下良美氏が帰国後会見、FIFA審判委員会が主審や4thに求めるものは?「日本の指導と変わらず、Jリーグ同様に自信を持って臨める」 #カタールW杯

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