宇都宮徹壱ウェブマガジン

「ヴェルデラッソ旭川の解散」が他人事でない理由 人口減少に苦しむ北海道のハーフウェイカテゴリー

「私の愛するクラブがなくなりました」

 そんなショッキングなタイトルのnoteを見つけたのは、たまたま自分の誕生日だった3月1日。筆者は、北海道は旭川市在住の(石川)直哉さん、29歳である。活動を停止することとなったのは、ヴェルデラッソ旭川。BTOP北海道や北海道十勝スカイアースが所属する、北海道リーグのひとつ下、道北・道央リーグの所属である。

 ちなみにクラブの公式Xが最後に更新されたのは、昨年の823日。公式サイト2017年に止まったままだ。よって、クラブに関する情報発信は、基本的に直哉さんのnoteXのみ。幸い、ご本人とつながったので、オンラインでお話を伺うこととなった(トップの写真も直哉さん提供)。

 本題に入る前に、北海道のハフカテ(ハーフウェイカテゴリー)事情について、言及しておきたい。地域リーグに当たる北海道リーグの下には、4つのブロックがある。昨年9月に掲載したこちらのコラムから引用しよう。

 北海道リーグの下部カテゴリー(県リーグに相当)は20年前、「道央」「道北」「道東」「道南」という4つのブロックリーグで構成されていた。ところが2019年に再編され、「道央・道北」「道東」「道南」「札幌」となっている。札幌のクラブはもともと道央ブロックに属していたが、クラブ数を確保できるため独立。残った道央のクラブは道北と合併したものの、今季はわずか4チームでリーグ戦を行っている。今後、チーム数が減ることはあっても、増えることはないだろう。

 スペイン語で「緑の絆」を意味する、ヴェルデラッソ。前身となるクラブは2001年に設立されている。旭川地区4部からスタートして、2011年に当時の道北リーグ、そして16年には初の北海道リーグに昇格。当時21歳だった直哉さんは、この時からのサポーターだ。もっとも、初めての北海道リーグは、1勝もできなくて1分け13敗。厳しい現実を突きつけられる。

「開幕戦は札大GP戦だったんですが、0-11という衝撃的なスコアで(苦笑)。でも、唯一の引き分けも札大GPだったんですけどね。選手たちやマネージャーさんが、いつもサポーターや応援を大切にしてくれたんです。ですからホームはもちろん、アウェイでも現地で声を届けたいと思って、応援を続けてきました」

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