Jリーグのある風景を変えるかもしれない クリアソン新宿が地域CLで見せた可能性
今週は「地域CLウィーク」ということで、試合日にフォトギャラリーを公開しているため、いつもは水曜掲載としているコラムを土曜日に移動させた。本稿は決勝ラウンド第2節の取材後に入稿予定だが、味の素フィールド西が丘で取材した第1節を見て、非常に印象に残ったことを記すことにしたい。タイトルを見てお察しのとおり、関東リーグで初優勝し、地域CLにも初出場ながら決勝ラウンドに進出した、クリアソン新宿についてである。
クリアソンについては、昨年に上梓した『フットボール風土記』の最後の章で多くのページを割いている。その原型となったのが、昨年9月に当WMに掲載したこちらの徹ルポ。また今年2月にも、サガン鳥栖から移籍したばかりの小林祐三にインタビューしている。ゆえに当WM読者は、このクラブのことをよくご存じだろう。
サッカーパックでご覧の方に説明すると、クリアソン新宿とは、これまでにない型破りなタイプの「Jを目指す」クラブである。メンバーの多くは、株式会社Criacao(クリアソン)に勤務しながらサッカーをしているが、Honda FCやソニー仙台FCのような企業チームではない。Criacaoはクラブ運営のほかに、企業や大学などへの教育事業やビジネスコンサルティング事業を展開。地域ネットワークやスポーツの価値をかけ合わせたスポンサーアクティベーションには、パートナー企業の間でも定評がある。
そんなベンチャー系の企業なのだから、福利厚生でサッカーをやっているわけではもちろんない。クリアソン新宿が目指すのは、ビジネスとフットボールの両立。昼間ガッツリ働いてから、夜にしっかり練習をする。チームには小林以外にも、GKの岩舘直やキャプテンの井筒陸也といった元Jリーガーが多いが、彼らは単なる「助っ人」としてやって来たのではない。むしろサッカーとビジネスという、デュアルキャリアを実現させるために、自ら望んでこのクラブに加わったのである。
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