今年の地域CLはどうなってしまうのか? 全社中止を受けてあらためて整理してみた
今年10月に栃木県で開催される、全社(全国社会人サッカー選手権大会)の中止が発表されたのは、先週の土曜日のことであった。すでに本大会出場を決めていた32チームの関係者、そして開催の準備を進めていた方々の落胆は、いかばかりであろうか。
FC今治のJ3昇格に貢献し、昨シーズンから関西リーグのCento Cuore HARIMAでプレーしている上村岬選手のツイートは、多くの選手の気持ちを代弁するものであった。
中止。ありえない。
なんでオリンピックやJリーグ、プロ野球は普通に有観客でやってんの??
無観客でも開催してください。
このカテゴリーの選手かもしれないけどそこに人生賭けてる選手もいる。
感染予防対策とってやってきてる。
選手の夢や目標奪わないでくれ。https://t.co/N2dpEDKNaM— 上村 岬 (@uemura1028) September 11, 2021
一方、前FC琉球社長の三上昴氏のツイートも、非常に核心を突くものに感じられた。
全社というアマチュア最高峰の大会があまりにも急に中止を決めた。色々な事情があるのはわかるけど、Jリーグをはじめ多くの大会がいろんなリスクを背負い、止めずに続けてきたことへの理解や勉強はなかったのだろうか。命をかけてサッカーをする地域の選手を見ていただけに、あまりにもこの決断は辛い https://t.co/TVd7NT5gLQ
— 三上昴 | SUBARU MIKAMI (@SubaruMikami) September 11, 2021
普段、ハーフウェイカテゴリーに馴染みのない方に説明すると、全社とは全国9地域の予選を勝ち抜いた31チームに、開催都道府県の代表を加えた計32チームが参加するトーナメント大会。国体のリハーサル大会と位置づけられており、5日間連続のトーナメントを勝ち抜いた上位3チームは「全社枠」として地域CLに出場する。最近では、2016年のヴィアティン三重、15年のラインメール青森が、全社枠からJFL昇格を果たしている。
全社は取材者にとっても、ハーフウェイカテゴリーの「現在」を俯瞰できるという意味で、極めて重要な大会である。トーナメントは同じ会場で2試合、つまり1日で4チームを見ることができる。3日目まで異なる山を取材すれば、12チームをチェックできるわけだ。加えて、県内のさまざまな会場で試合が行われるため、普段なかなか訪れる機会のない土地を知ることもできる。そうした楽しみも、中止の決定で吹き飛ぶこととなった。
それにしても気になるのが、全社枠の扱いをどうするのか、である。実は前回、三重県で行われる予定だった全社も中止になっており、この時は輪番制で関東と関西と九州の2位チームが出場権を獲得。ただし昨年の九州リーグは、シーズン途中にコロナ禍の影響で中止となり、2018年の順位で出場チームを決定している。今季についても、各地域で事情が大きく異なっているため、この機会に整理しておきたい。
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