宇都宮徹壱ウェブマガジン

日本代表への熱量が半端なかった時代の記憶 YFFFでのトルシエさんとの再会に想うこと

 本題に入る前に、ヨコハマ・フットボール映画祭(YFFF)2022に出店していた徹壱堂にご来店いただいた皆様、そして『蹴日本紀行』やポストカードをお買い上げいただいた皆様に御礼を申し上げたい。皆様、本当にありがとうございました。

 ECサイトの徹壱堂が、YFFFに出店するのは2回目。今回は「サッカー本しか売らない」澤野書店の軒先をお借りすることとなった。YFFFでの出店となると、どうしても鑑賞できる作品の数は限られてしまう。それでも、ご無沙汰しているサッカー仲間と再会したり、読者の方々と直接お話できたりする機会というものは、やはり得難いものだ。おかげさまで今年のYFFFも、大いに楽しませていただいた。

 さて今回のYFFFでは、2002年ワールドカップ日韓大会から20周年ということで、元日本代表監督のフィリップ・トルシエさんをお招きした「サロン・ドゥ・トルシエ 言いたいこと全部言いますSP!」というトークイベントを開催。MCを担当した笹木かおりさんのサポート役として、私も出演させていただいた。イベントの内容については、いつも素敵な書評を書いてくださるpataさんのこちらのnoteに詳しい。

 実はこのトークイベントは当初、私の出演予定はなく、トルシエさんもZoomでの出演と聞いていた。ところがひょんなことから「2002年当時に取材していた人もいたほうがいい」ということになり、さらに2002FIFAワールドカップ20周年記念レセプションでトルシエさん本人の来日が決定(参照)。その流れでYFFFにもリアルで出演することとなり、これはえらいことになったと思ったが、すでに後の祭りであった。

 この仕事を始めて25年となるが、実は日本代表の取材を始めたのは2002年の3月から。日韓大会の開幕からわずか3カ月前のことである。1999年のワールドユース、2000年のシドニー五輪やアジアカップ、そして一連の解任騒動。それらは報道を通してしか知らなかった。ちなみに私が唯一、トルシエさんと1対1のインタビューを行ったのは、大会から8年後のこと(参照)。そんなわけで、若干の不安を抱えながら当日を迎えた。

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