北海道にコンサドーレさえあればいいのか? 夕張を旅して考えた「札幌一極集中」の是非
新千歳空港から羽田に戻る機内にて、このコラムを書いている。日記にも書いたとおり、金曜日と3連休を使って久々に北海道の取材を楽しんできた。北海道新幹線で函館に入り、翌日に札幌に移動。北海道コンサドーレ札幌のホームゲーム取材、そして関係者へのインタビューというのが今回の旅の主目的だったが、その後も夕張や旭川にも日帰りで訪れている。
コンサドーレの取材については、THE ANSWERで連載中の「Jリーグ30周年」企画で来月にアップする予定だが、今回は札幌以外の土地も訪れてみて、かねてより抱いていた疑問に再び考えを巡らせることとなった。それは「北海道にコンサドーレさえあればいいのか?」というものである。
北海道は、スコットランドと同じくらいの総面積と人口を有する。総面積では、北海道が約8.3万㎢でスコットランドは約 7.8 万㎢。人口は北海道522万人に対してスコットランド542万人。ところがトップリーグのクラブ数はというと、北海道はコンサドーレだけなのに対し、スコットランドはレンジャーズやセルティックやアバディーンなど12を数える。これは単に「歴史の差」だけで結論づけられるものであろうか。
北海道唯一のJクラブであることは、コンサドーレにとって一見すると「いいことずくめ」に思えるかもしれない。道内のサッカー少年たちが目指すのは、地元の有力高校ではなくコンサドーレ。北海道の優良企業もまた、コンサドーレのパートナーとなることにメリットを感じるだろう。道内のタレントやスポンサーを独占できるのは、海に囲まれた地域性ゆえのアドバンテージとも言える。
しかし広大な北海道で、コンサドーレ以外に全国リーグを戦うクラブがひとつもない構図というものは、やはりいびつさを感じてしまう。J1のコンサの次は、4カテゴリー下の北海道リーグ。ここからJを目指す、北海道十勝スカイアースやBTOP北海道はあるものの、道内でJクラブ同士のダービーが実現するのは、まだまだ先のことのように思えてならない。
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