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YouTuberと考えるウィズ・コロナ時代の応援 コハロン×グラっ子ルビナ×千葉好男<2/2>

YouTuberと考えるウィズ・コロナ時代の応援 コハロン×グラっ子ルビナ×千葉好男<1/2>


無観客試合での応援BGMはコアサポへの侮辱か

──ここでまた、皆さんに問題提起をしたいと思います。先日、Kリーグが開幕しました。その時、無観客だったにもかかわらず歓声が聴こえてきたんですね。

千葉 それって、音源を使っていたということでしょうか?

──おっしゃるとおり。無観客だと寂しいからと、運営側が過去の試合で録音した歓声やチャントを会場で流したわけです。これについてSNSの反応を見てみると、日本のサッカーファンは好意的な意見が多かったんですが、コアサポと思しき人のツイートが非常に興味深かったんですね。いわく「こんなのに賛成する奴が多いのは心外だ。俺たちの応援はBGMじゃねぇ!」と。皆さんは、どちらの意見にシンパシーを感じますか?

コハロン どっちかと言うと、僕はコアサポの方の考えに近いですかね。やはり応援って、その場その時に「こういう応援をしようよ」という感じで生まれるものなのかなって思っています。そうではなく、作られたBGMとして流すとなると、まったく意味合いが違ってくるのかなと思います。

──それはコハロンさんの言う通りだと思います。ただし声援やチャントについても、ポスト·コロナの時代は、まったく違ったものになる可能性は考えられると思います。たとえばクラブのDJって、その時の状況や客の反応を見ながら曲を組み立てていくじゃないですか。それと同じで、さまざまな応援やチャントをサンプリング素材として、ゲーム展開に応じて流していくような仕事が、今後求められるかもしれないですよ。

ルビナ 問題は、それを選手がどう感じるかですよね。当然、選手も生声の声援に慣れているわけじゃないですか。私自身、みんなの声援が選手の背中を押して試合の流れが変わったという場面を、これまで何度も経験しているんですよ。人の生の声って、それくらいパワーがあると思っていて、おそらくそれは選手も同じだと思うんですよね。だからこそ、違和感もあるんじゃないかと。

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