中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】中村敬斗が成長したオーストリアブンデスリーガってどんなところ?

▼ 中村敬斗の成長物語

今夏欧州移籍市場で注目選手の一人にあげられているのがオーストリア・ブンデスリーガのLASKリンツでプレーする日本代表FW中村敬斗だ。

2022-24シーズンに14得点4アシストをマークした。14得点はランキング6位、そして18スコアポイント(ゴールとアシストの合計)ではリーグ4位タイという数字だ。

オーストリア国内における中村への評価は極めて高い。得点とアシストという数字で結果を出しているのももちろんだが、試合の中で違いを生み出す選手として他クラブからの最大限に警戒をされている。

そんな中村が実際にどんな試合をしているのかを知るには、やはり現地にまで足を運ぶ必要がある。僕が取材に訪れたのはリーグ29節の首位ザルツブルクとの一戦だった。

今季も優勝を果たしたザルツブルクがオーストリアサッカー界にもたらした功績は非常に大きい。インテンシティがとても高く、攻守の切り替えが速いサッカーをハイクオリティで展開するために、世界中から優秀な若手選手を集めている。

相手チームがボールを落ち着ける時間が全くないくらい、ダイレクトなプレッシングが連続でくる。パススピードがちょっとでもゆるかったら一気に懐まで飛び込まれる。ザルツブルクの守備はまるで猛禽類のようだ。簡単には適切な判断ができないスピードの中でも状況を認知して、打破するプレーが求められる。ついてこれない選手はミスを積み重ねるばかり。そこで終わりだ。

そんなザルツブルクのサッカーに他チームはまるでついていけず、オーストリアサッカー界において別格の存在へとなっていたわけだが、少しずつそんなザルツブルクに対抗しうるチームが出てきているのが興味深い。

今季でいえば、シュトゥルム・グラーツ、そしてLASKリンツはザルツブルクとも真っ向勝負できるだけの力を持ったチームなのだ。

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