J3番記者座談会LIVE(J論)【4/17(木)21時】

中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】所変われば常識も変わる、時代が変われば常識も変わる。少し前の「普通」が変わっていく(かもしれない)話

こんにちは!5月の末から6月に入ってずっと、ここフライブルクでは爽やかな晴れの日が続いています。ドイツでは今くらいの季節から、だいたい7月頃までは比較的好天に恵まれることが多く、夏の年度末が近いこともあって、夏祭りや野外音楽祭などイベントの多いシーズンでもあります。夏の空気の中、ワールドカップや欧州選手権の観戦をするのもこの時期のお楽しみです。

先日、思わぬところで日本の話題に遭遇しました。お題は「電車の無賃乗車」。SWR3(南西ドイツ放送)のお昼のラジオ放送で、ドイツ国内での電車の無賃乗車について取り上げていたのですが、

「それではここで東京在住の〇〇さんにお電話をつないで、日本の電車事情についてお話を聞いてみましょう」

「SWR3をお聞きのみなさんこんにちは。東京の〇〇です」

と、急に東京在住のドイツ人が登場したので、思わず仕事の手を止めて聞き入ってしまいました。

「ここ日本では自動改札機というものがあって、正しいチケットを通さないと電車のホームにたどり着くことはできません。機械の精度が非常に高いので、不正をするのも難しいですし、無賃乗車というのは基本的に存在しないと言っていいと思います。パリの地下鉄のように、物理的に改札機を乗り越えたり、ドアが閉まる前に突破することも不可能ではありませんが、やっている人を見かけたことはありません。

当然、車内での抜き打ちのチケット確認も行われませんし、チケット不所持で罰金を払う人も一度も見たことがありません

無賃乗車が存在しないとは、ドイツからはちょっと考えられないですね!すごいですね!という現地レポーターとスタジオとのやり取りが続きます。

いや、こっちからすると改札を通らなくても電車に乗れちゃうほうがびっくりなんですけど。

【無料コラム】3G、誰がどうやってチェックする?ドイツの電車にはそもそも〇〇がない話

時間にして1、2分ほどの短いやり取りでしたが、日本の常識はドイツからすると全然普通じゃない。その逆もしかり。ということが垣間見えたひとときでした。

そういえば、昨夏に久しぶりに帰国して国内旅行を楽しんでいたとき、飛騨高山駅の改札が有人改札しかないのにいたく感動したのですが、「ママ、何なの?何がそんなに珍しいの?」と子どもに呆れられてしまいました。子どもたちにとっては生まれてこのかた自動改札が当たり前なので、有人改札すごい!懐かしい!という気持ちは、そりゃ伝わらないですよね……。

さて、話はドイツに戻ります。ドイツにお住まいの方や、ドイツ旅行中にローカル線のチケットを買って移動されたことのある方はご存知かもしれませんが、ドイツの公共交通機関のチケットの中には、時々セルフでこの改札的な作業をしなければいけないタイプのチケットがあります。

どういうことかというと、「買った時点から有効になるチケット」と「買ったあと、備え付けの刻印機で、自分で乗車日時を押さないと有効にならないチケット」の2種類があり、チケットの種類や地域によって両者が混在しているのです。

例えばミュンヘン市内では、基本的に自分で乗車日時を打刻しなければならず、これをやっていないと、例え正しい乗車券を購入していても無賃乗車と同じ扱いになります。(こちらの記事が詳しいです)このルールを知らなかった私、旅行でミュンヘンに行ったとき、しばらく打刻をしないでチケットを使っていました。危ない危ない。幸いチケット検査には遭遇しないで済んだのですが、こういう基本的なルールくらいは、せめてドイツ国内で統一してくれてもいいのに……と思っています。

場所が変わり、状況が変われば常識も変わる。コラム後半は、変わっていく過渡期かもしれないドイツの常識の話を書きます。

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