中野吉之伴フッスバルラボ

ドイツ生活に欠かせない散歩。非常時でも「とりあえず散歩」の習慣は健在。

こんにちは!通常より一日早いですが、今日も無料コラムで現在のドイツの状況をお伝えします。

森や河原、公園の芝生などを除いて、子どもが遊べる場所がほとんど閉鎖されている現在のドイツ。新聞には家でできる簡単なヨガなど、子どもが手軽に室内で運動できるようなアイディアが掲載されています。

これは次男の担任の先生が送ってくれたもの。サイコロを振って、出た目に合わせて運動をする、という遊びです。下の階から苦情が来ませんように…

他にも、各スポーツクラブや個人のフィットネストレーナー、ヨガトレーナーのみなさんは、YouTubeなどの動画配信や、Zoomなどをフル活用して、毎日少しずつでもいいから体を動かして、少しでも健康的に、ストレスをためないようにと呼びかけています。

こんな小さな遊具スペースも使用禁止です

とはいえ、外出や行動の自由が大きく制限されているというだけでストレスは溜まりますよね。そんな中でも、家族で戸外で軽い運動をしたり、散歩やジョギングに行くことは許可されています。友人や恋人と2人までであれば、待ち合わせて一緒に歩くこともOK

これに対してお隣のフランスでは、外出は原則一人。家族内であっても一度に外出して良い人数に制限があったり、散歩や買い物に行くにも自宅から半径〇kmで1時間以内、と距離や制限時間が決まっていたり、外出の目的を記入した書類を携帯しなくてはならなかったりと、さらに厳しいルールが課されています。親しい友人とジョギングしたり、家族揃って近所を散歩したり、芝生で少しキャッチボールをしたりして息抜きができるだけ、ドイツではまだささやかな余裕があるように思います。

しみるけいさんによる写真ACからの写真  こんな光景、ドイツではOKですがフランスではアウトです

もともと、ドイツの人はとてもよく散歩をします。日本から来てフライブルクで働いている友人とも「ドイツに住み始めたらよく散歩をするようになった」と話しています。実際、ドイツ人の家に遊びに行くと、お茶の合間に「ちょっと散歩でもする?」と誘われます。子どもが林間学校に出かけた時も、一日の予定の中に必ず散歩の時間があったそうです。

犬を飼っているわけでもないのに「よし、家族で散歩に出かけよう」と出かけるお宅は、多分日本ではあまり多くないのではないでしょうか。恋人や友人と過ごすのに「今日なにする?」「とりあえず散歩でも行く?」という会話も、日本ではちょっと考えにくい。特に私の出身地は冬はずっと天気が悪く、雪深い土地だったので、雪の日に用もなく外をぶらぶらするなんて考えられませんでした。

Dandelion3さんによる写真ACからの写真 

でも、ドイツ人はよほどの悪天候でない限り、雨の日も、雪の日も喜んで散歩に出かけるのです。特に目的もなく、ぶらぶらと歩く。歩きやすい靴とお天気に合わせた服装で、てくてく歩く。とにかく歩く。どこか景色が良い場所があれば一番ですが、なくてもとにかく歩く。疲れたらベンチに座って休憩するか、帰宅。本当はここでカフェで休憩でもできるといいのですが、今はテイクアウトのみの営業で、それ以外は閉まっています。きちんとしたウォーキングシューズやストックを装備したウォーキングもありますが、あれはジョギングなどと同じスポーツの部類に入るようで、散歩とはちょっと別のものと考えられているようです。

自宅から徒歩5分でこんな感じです

私たちの住んでいるエリアは、住宅地が森や河原など自然に触れられるところに隣接しているので、市の中心部に住んでいる人たちは、このあたりで散歩するためにわざわざ車を走らせてきたりもします。別に今に始まったことではなく、コロナウィルス騒動が始まる前からのありふれた光景です。車に乗って散歩に出かけるってちょっと冗談みたいな話ですが、交通量が多い地域や緑の少ない都市部に住んでいる人にとっては当たり前のこと。

「街歩きをする」「ショッピングをする」という目的がなくても散歩は頻繁にするので、見渡すとどこにでも散歩をしている人はいます。一見、こんなところを歩いていて、何をしているんだろう?と思えるような場所でも「散歩中です」と言えば納得するし、納得されてしまいます。

一番手っ取り早い運動。手軽にできる気分転換。お金もほとんどかかりませんし、5分でも1時間でも、気分と体力に合わせて楽しめるのも散歩のいいところです。とにかくちょっと外に出て歩くんだ!というのはドイツ人のとてもシンプルな生活習慣です。我が家もゴミ捨てのついでにちょっとご近所一周…という小さな散歩から、トラム数駅分しっかり歩く散歩まで、家族4人の生活スケジュールに合わせて楽しんでいます。日本の皆さんも気分転換に散歩、いかがですか?

今日もお読みくださりありがとうございました。また次回!

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