中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】学び続けないと、他者を知ろうとしないと、僕らが持っている《常識》は古びた足かせにさえなってしまう

▼ 休養があるから習得できる

《学びの道に果てはない》のはだれもがご存じのことだと思われるが、良質な学びができる場を自分で見つけるのはなかなかに難しかったりする。

また学び続ければ続けるほど自分にプラスになるかというとそういうわけでもなく、学んだことを実践で試す環境は欠かせないと思われるし、自分の中で確かに消化していくためには、やっぱり頻度的にも、量的にも適切なインプットが重要だろう。

先日、行われた益子直美さんと池上正さんとの対談で、池上さんが指摘していたのは、僕ら人間の脳には定着するための確かな時間が必要だということ。勉強でもスポーツでもやってすぐ身につくということではなく、脳を休ませ、体を休ませという時間を正しくとることで、取り組んだことが定着していく。

そう考えると僕にとっては、毎夏に3日間開かれる国際コーチ会議に参加するというサイクルはちょうどいい。ドイツサッカー協会(DFB)とドイツプロコーチ連盟(BDFL)の共催で毎年開催されている国際コーチ会議は、DFB-A級とプロコーチライセンス保持者のみが対象となっているため、取り扱われる内容も非常に学術的だし、分野も多岐にわたっている。

夏休みに入る時期に開催されるので、チームとしての活動もない時期なので、頭がフレッシュな状態で臨めるのもうれしい。

今回はその中から2015年にあった心理学に関する講義の内容をお届けしたい。

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