中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】登校したらまず検査。2022年の「普通」の学校生活の話

こんにちは!あっという間に2月も中旬ですね。今週の「ゆきラボ」では、今のコロナの検査体制と、その中で続いているドイツの学校生活のことをご紹介します。

簡易テストキット。市販もされていて、1個2ユーロ~5ユーロくらい

現在、ここバーデン・ヴュルテンベルク州の公立の学校では、登校するとまず生徒・教職員全員が最初にコロナのセルフ抗原検査(簡易検査)を受けています。1人1つずつテストキットが配布され、自分で鼻粘膜の検体を採取。結果が出るまでに15分ほどかかるので、その間に授業の導入部分がスタートします。ちなみにドイツの学校では、朝の会や帰りの会に相当するものがない学校がほとんどで、登校するといきなり1限の授業から始まります。

テストが陰性なら何事もなくそのまま授業続行。陽性になってしまった人は荷物をまとめてその場で即帰宅となります。授業開始時刻をしばらく過ぎて、学校から何事も連絡がないと、ああ今日も陰性だったんだなと一応胸をなでおろす、そんな毎日が続いています。

一度、長男の隣の席の子が陽性になってしまい、ひやひやしたことがありました。

長男「マスクしてるし。隣の席との間隔は空けてるし。俺は予防接種してるし、検査でも陰性だったし」

マスクしてソーシャルディスタンス取って予防接種してても、かかるときはオミクロンはかかるんだよ!もうちょっと危機感持とうよ!と思いましたが、その日の検査でも、その後の検査でもずっと長男は陰性が出続けました。現在のドイツの学校では濃厚接触者の定義が少し緩和されていて、たとえ陽性が出た子と隣の席でも、朝一緒に登校していたとしても、朝一の検査で陰性反応が出ている限り、その子はそのまま普通の生活を送り続けることができます。長男はありがたいことに今回はセーフでした。陽性になってしまった子も、幸いその後ほぼ無症状で済んだそうです。

私「みんなが見ている前で陽性反応が出ちゃうわけでしょう?みんなどういうリアクションするの?怖がられたりしない?」

長男「しない。普通。先生もみんなも『あ、陽性になっちゃったね、気をつけて帰ってね、お大事にね』で終わり」

だそうです。淡々としています。毎日のようにどこかのクラスで誰かが感染してしまっているので、もうコロナになってしまうことは全く特別なことではなくなってしまっているのでしょう。感染したことを周囲に言えなかったり、周囲に知られていじめに遭ったりするよりはずっと平和ですが、それだけコロナが普通になってきてしまっているということでもありますね。

陽性が出てしまった場合、帰宅時は公共の交通機関は使えません。徒歩か自転車か家族の車で帰宅し、改めてPCR検査を受けて、感染してしまっているかどうかを確定させることになります。幸い、うちの子たちの学校は自転車でも徒歩でも帰れる距離ですが、バスや電車で遠方から通学している子が、もし家族が迎えに行けない状況で陰性判定が出てしまったときはどうするんだろう……というのが気がかりです。

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