中野吉之伴フッスバルラボ

【無料コラム】息子の入学式。ドイツの学校セレモニーは子どもも大人もとってもカジュアルです

こんにちは!毎週水曜日の無料コラム「ゆきラボ」です。

私たちの住む州でもいよいよ夏休みが終わり、新年度が始まりました。我が家の次男は長男と同じギムナジウム(日本の小学校高学年+中学校+高校に相当する一貫校)に進学し、先日、無事入学式を終えました。

現在、対象年齢の6割強がコロナワクチンの予防接種を終えているドイツですが、夏のバカンスシーズンに人が大規模に移動した結果、現在は第4波の渦中にあります。そんなわけで今年度の入学式はクラスごとに分かれて短縮版で実施されました。

オープニングはまず音楽部の歓迎演奏から。そのあとが校長先生の挨拶と担任の先生の紹介。先生方は壇上で話すときだけ束の間マスクを外して顔を見せてくれます。クラス担任が新入生の名前を1人1人読み上げ、生徒が壇上に上がって担任の先生と対面。クラスの集合写真を撮影してから、教室に移動……という流れになります。

小学校を卒業すると、たいていこんなリュックサックで登校している子が多いです。指定のカバンは特にありません

新入生は全部で5クラスなので、歓迎演奏から校長先生の挨拶まで30分ほどのセレモニーが繰り返されること5セット。疲れも見せずに5回も演奏してくれた音楽部のみなさん、お疲れ様でした!

昨年はほとんど式らしい式はできなかったと聞いています。また、万が一学校でクラスターが発生した場合の影響を最小限にとどめるため、生徒が他の学年の生徒と校内で交流することも昨年度は禁止でした。今年はそれが解禁され、例年どおり、10年生(日本の高1相当)の生徒が新入生のために学校の案内をしてくれることに。AGと呼ばれる学校での課外活動はまだ再開されていませんが、それでもずいぶん学校生活が通常化してきたんだなと感じます。

AGについて書いた過去の記事です。AGを通じて子どもが体験できることもたくさんあるので早く復活してほしい……

【コラム】サッカー、英語、ガーデニングから自転車修理まで。ドイツ流クラブ活動“AG”の話。

とはいえ生徒も保護者も終始マスクはつけたまま。素顔を見せ合って本当に「顔見知り」になれるのはもう少し先のことになりそうです。

この入学式、小学校でも、そしてその先に進学する各種学校でも、ドイツの学校のセレモニーは基本的にはとてもカジュアルに行われます。生徒も先生も保護者も基本的には普段着。日本のセレモニーで言われるような「平服」ではなく、本当に本当に普段着です。ちなみに制服を採用している学校もほとんどありません。

とはいえ、実家の両親に写真を送ったりもするので、多少はきちんとした服を着た方がいいだろうと、次男はワイシャツとベージュのコットンパンツ、私は黒のワンピース、夫はワイシャツとノーネクタイにジャケットで出席しました。この程度でも、多分会場の中で一番フォーマルな恰好だったと思います。

セレモニーが簡素なのも、実はコロナ禍の前からのこと。3年前の長男の入学式も、新入生と保護者が全員講堂に揃っただけで、式の流れそのものは同じように進行しました。来賓の長い挨拶もありません。

もしかすると、同じドイツでも、保守的な家庭が多い地域や私立の学校ではもっとフォーマルな式を行っているところもあるのかもしれませんが、フライブルクの公立校ではだいたいこんな式がスタンダードのようです。特別な準備も必要ないですし、肩肘張る必要もありません。ないので、私たち両親も子どもも到ってリラックスして出席することができました。新しいことが始まるときには誰でも緊張するもの。緊張をさらに増すような重々しい式ではなく、こんな温かくて開放的な式、私はとても気に入っています。

昨年の入学式シーズンに書いた記事もよろしければお読みください。

【コラム】ドイツは入学式シーズン。小学校に上がる年齢を選べれば「早生まれ問題」もなくなる?

今週もありがとうございました!次回のゆきラボもよろしくお願いいたします。

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