U13=小学校高学年の9人制は「11人制へうまく移行させたい」との発想で必要な知識を得て創意工夫する
▼ U13=小学校高学年は大事な移行期!
大まかだが、ドイツにおいて19歳までの育成年代は次のような考え方がなされている。
【子どもサッカー】
Gユース=U7
Fユース=U9
Eユース=U11
【子どもから青年へのサッカー移行期】
Dユース=U13
【青年サッカー】
Cユース=U15
Bユース=U17
Aユース=U19
つまり、U9でサッカーの楽しみと向き合い、U11でサッカーの基本的なメカニズムを理解することに取り組み、U13ではそれまでのことを青年サッカーへ適切に順応できる形に持っていくことが目的になる。
なぜDユース=U13を、わざわざ移行期と呼ぶのか。
ドイツサッカー連盟(以下、DFB)ではこう説明している。
「U11では、ハーフコートサイズでの7対7が行われるが、そこから一気にフルコートサイズへ変わるのは子どもに対する負担が大きすぎる。U13の成長段階では、まだ身体的に11対11に適していない。だからこそ一回り狭いピッチでの9対9を推奨している。
適切な広さと人数による試合環境を整えることで、技術・戦術のレベルアップに理想的な環境を作り出すのが狙いだ。また、この年代からレベルに応じたリーグ分けがされるが、各地域(日本でいう都道府県)をまたぐリーグは行わない」
「身体的に適していない」とは具体的にどんなことだろうか?
U13=小学校高学年の子どもたちはどのくらい遠くまでボールを自然に蹴ることができるだろうか。どのくらいの距離を無理なく走ることができるだろうか。キック力を観察すると、センタリングは平均的に20〜25m、シュートエリアは15mの距離から初めてゴールを予感させる可能性の高いプレーを実行できるようになる。
そうすると、この数値では大人サイズのピッチがどうしてもこの年代に合わない。ゴールへ20〜25mの距離までボールを運んでチャンスメイク、15mの距離に運んでゴールメイクするためには、自分と相手のペナルティエリアまでにある広大なエリアを何度も行ったり来たりしなければならない。スペースが広すぎると、どうしてもそこを狙ってパワーのある選手がロングボールを多用する蹴り合いが生じてしまう。
しかし、まだ育成年にあたるU13の子どもたちがそういうプレーをして、それをサッカーだと言えるだろうか。
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