中野吉之伴フッスバルラボ

U13=小学校高学年のトレーニングでは、正しい判断の元となる11段階の事象を子どもに整理して理解させることがスタート!

 

▼U13=小学校高学年のトレーニングでは、どんなことに気をつけるべきなのか。

私はこれまで様々なブンデスリーガ育成年代のチームのいろいろな練習や試合を見てきたが、その中で思うことは「どのチームもやっていることが驚くほどシンプルだ」ということ。

「複雑なトレーニングが優れたトレーニングだ」というわけではない。育成年代では、目の前の子どもたちに必要なトレーニングに実直に取り組み続けることが大切なのだ。

サッカーで求められるプレーとは「正しい判断と正しいタイミングと最適なスピードでのプレー」だ。しかし、それは一朝一夕に身につくものではない。だからと同じ形、同じ内容を繰り返してもその状況下でしか使えない技術になってしまう。

だから、トレーニングにバリエーションをつけながら、必ず認知・判断の要素を加えて、ゲーム形式や紅白戦を利用しながら、試合に生きるプレーを身につけるため、包括的にアプローチしていくことが重要だ。

日本では多く練習の中に取り入れられるコーンやマーカーを置いてのドリブルやパス練習。それ自体を行うことはまったく問題ない。ただ、そこに生きた選手の意識を感じられるか、感じさせられるかがトレーニングとしてはポイントになる。

サッカーはコーンやマーカーを相手にするのではない。マーカーに触らないようにドリブルができるようになっても仕方がない。本番は、相手選手が動いているのだから。

サッカーでは、それぞれの選手が持つ間合いが大きな意味を持つ。その間合いの範囲内ならばボールを失わない、自分のプレーができるというところにボールを持っていくことが基本だ。

だからこそコーンやマーカーの位置にいる相手が、どこにどのように守りに来るのかがイメージできないとトレーニングとしては成立しない。イメージできない選手に対しては指導者自身や子どもたちが守備の動きを入れることで、状況を理解させ、そのための選択肢を頭の中でクリアにさせる。

例えば、こんなトレーニングはどうだろうか?

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