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中野吉之伴フッスバルラボ

ベルント・シュトゥーバー、ドイツ指導者育成の第一人者が語る指導の本質とは?

 


※著書「サッカー年代別トレーニングの教科書」で、シュトゥーバーにインタビューを行っている

▼ベルント・シュトゥーバーはドイツ指導者育成の第一人者

シュトゥーバーさんは僕がDFB(ドイツサッカー連盟)A級ライセンスを取得したときの指導教官でもある。この地で指導者としての道を歩もうとする者で、彼の名を知らない指導者は一人もいない。ドイツの各年代別代表監督も務めてきたシュトゥーバーのもとで様々なことを学び、影響を受けた選手や指導者がどれほどいるだろうか。

「現場からの目線を失わない」

これが、特に私が共感し、敬愛する理由だ。シュトゥーバーさんはこの当たり前で、だからこそ大切な観点を持ち続けている。現代は、様々な変化が次から次へと押し寄せてくる。フィジカルに関する見解もメンタルに対する認識も、10〜15年前とは大きく違う。

様々な分野で研究が進み、「ほんの2〜3年前まで正しいとされていた取り組みが、実はそこまで意味のあるものではなかった」という事象がたくさん起こる。ハイテク技術の進歩で「これまでは無理だ」と思われていた取り組みがどんどん取り入れられている。

分析のジャンルでいえば、どのようにサッカーに近づけた言葉や数字に還元できるかが重要だ。走行距離、パス成功率、ボールポゼッション率という純な数値だけでサッカーを判断するようなことはもはやタブー。数字を計ることではなく、数値結果から選手にフィードバックできる具体的な解析をすることが求められる。

▼ アナリストはゲートキーパー

もう少し分析に関する話を続けたい。以前、雑誌「footballista」の取材でDFB専任アナリスト(分析官)のシュテファン・ノップをインタビューしたときに、「例えば、ポジショニングに関するデータ解析はこの10年間で飛躍的に伸びた」という話を聞いた。

ノップ「我々は、監督の右腕としてコンピューターを扱っているわけなんだ。今日では監督の役割も多岐にわたり、すべてを一人でこなすことはできない。その役割の一端を担うのが我々なんだ。相手チームの情報、戦術の提案。それが円滑に行われるためには、監督からの信頼が欠かせない」

(ドイツ代表では)レーフ監督の方から僕らの方に話を聞きにきてくれるんだ。その関係性の中で、僕らはすなわち『ゲートキーパー』の役割を果たしているとも言える。膨大な情報はそのままではなく、フィルターにかけられないといけない。監督がその情報を持って選手に有益な指示を出せるようにね」

相手がわかるコミュニケーションを使わないといけないんだ。選手がわかるように情報を変換しないとダメなんだ。解釈・通訳としての役割が大事。詳細な数字の羅列をサッカーにおける現象と照らし合わせて、選手に『マークする相手に対して後2歩右にポジショニングを取るといい』という情報に変える。これこそが僕らの仕事だ。

(試合における)状況は一瞬で変わる。選手にあらゆる詳細を伝えることはできない。だからこそ、選手のプレーインテリジェンスを伸ばさなければならない。そのためには、どんな状況が求められる決断かを知らなければならない。コンセプトそのものはどの試合でもベースになるものでないとダメなんだ。選手たちに細かいことを言うことなく、知らないうちにコンセプトを身につけられるように導く手助けをすることが大事なんだ」

これは私が取材した「footballista」2015年12月号「データ革命」現地リポートからの引用だが、非常に的を得た意見だと思う。

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