Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【解説】今年3月から解禁となったクラブの株式上場について(1)「大きな目的としては、上場のクラブとリーグ全体の成長(Jリーグ・鈴木徳昭氏)」

7月28日、2021年度クラブ経営情報開示に関するメディア説明会をWebにて開催した。
今回の説明会の中では、今年3月から解禁となっているJリーグクラブの株式上場について、Jリーグクラブ経営本部の鈴木徳昭氏が説明を行った。

○鈴木徳昭氏(Jリーグクラブ経営本部)
今回の内容については今年の2月28日の理事会で承認させて、3月1日から規約の変更として執行している内容です。

今回、私共クラブ経営本部の中でプロジェクトチームが、ステークホルダー向けあるいは投資家の皆様向けにわかりやすく現状を説明した資料を用意しましたので、ご説明させていただきます。
こちらはステークホルダー様向けなので、今Jリーグがどのような形でビジョンを描いて成長戦略を行っているのかという現状について説明させていただきます。

ご存じの通り、現在ビジョン2030でそれぞれの領域に関して、そうした中でクラブ・Jリーグが合算した収益というのはコロナ禍において若干マイナスになっていますが、順調に上がってきていると言えると思います。

そうした中で、大きなビジョン2030向けての取り組みとして下記の5つが挙げられます。

1つが放映権収入の拡大ということで、スポーツ配信プラットフォームのDAZN様との大型契約を締結した中で、視聴者増加に向けていろいろな形で協働しています。

2つ目はプロジェクトDNA、イングランドからテリーさんとアダムさんを招聘して、クラブの育成について特化する形でクラブとプロジェクトを組んでいます。

Jリーグの選手育成プロジェクト「PROJECT DNA」について~アカデミー評価プロジェクトに関するメディアブリーフィングより(1)~

3つ目はシャレン!ということで、フットボールだけではなくて、各地域における社会課題の解決をクラブとステークホルダーの皆様と一緒に取り組んでいこうという活動に注力しています。

Jリーグシャレン!アウォーズを初開催!「たくさんの方々に素晴らしいクラブの活動を広めていただけたら、クラブとしてもリーグとしてもこれほどありがたいことは無い(Jリーグ・鈴木氏)」

4つ目はデジタルマーケティングということで、マーケティングの共通基盤をクラブ・リーグで持ち、その中で分析した上で戦略を立てていくと同時に(分析して戦略を立てられる)人材をクラブでも強化していくことで、実際の集客につなげていく取り組みです。

「共通基盤ができることで、Jリーグの組織再編も一気に動き出すことになる」~PUBレポートメディアブリーフィングでの村井チェアマンによる説明(4)~

そして5つ目がクラブライセンスチームを中心に、クラブライセンスやクラブの財務基準について財務基準や規制緩和を整理しています。そうした中で今回上場の解禁を今年の3月から規約として執行するような形にいたしました。

実際にはそれ以前も規約上で言えば、『上場を解禁します』とか『解禁しません』という規約はなかったのですが、今までの規約ですとクラブの株式が1%でも移動した場合に、事前にリーグに報告しないといけないという義務がありました。実際に上場した場合には、流動性を持った株式の移動がありますので(チェックすることは)実質的に不可能なので、実際にはクラブの上場はできないというのが今までの取り決めでした。

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