Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ホームタウン/活動区域外におけるマーケティング活動のガイドライン】現状の議論の4つの論点①価値提供先(顧客=企業/自治体/ファンサポーター)視点での活動②環境変化にあわせたチャレンジ推進・クラブ及びリーグ全体の事業機会の拡大③地域内での活動を軸にしつつ地域に閉じない活動を含めた地域貢献を視野に入れる④適正な競争による事業成長

10月19日(火)、Jリーグはホームタウン/活動区域外におけるマーケティング活動ガイドライン整理に関するメディア説明会を行った。
これは、10月17日に一部報道機関で「Jリーグ 来季ホームタウン制撤廃へ 創設時の理念「地域密着」から新様式に 今月中にも正式決定」という報道がなされたことについて、同日Jリーグから発表されたリリースに加えて、詳しい説明を行った。
会見の冒頭、司会を務める広報担当者から「そもそももう少し適時開示をしっかりできていればこういった事態にならずに済んでいた部分もあるかと思いますので、今後皆様への開示の方法についても、リーグ内で協議して適切な方法を取っていきたい」とメディア説明会を実施した意図についての説明がなされ、その後木村正明専務理事が説明を行った。

木村正明専務理事による説明の後、具体的な説明をJリーグの出井宏明 パートナー・放映事業本部本部長が行った。

木村正明専務理事による説明はこちら

〇出井宏明 パートナー・放映事業本部本部長

「私の方からは木村の話を受けまして、実際の議論に使っている資料の抜粋も使いながら経緯等を少し詳しく説明させていただきます。
今回議論をしているのは主に下のところです。

【変わらないこと】
Jリーグ理念
・日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
・豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
・国際社会における交流及び親善への貢献
Jリーグの活動方針
・フェアで魅力的な試合を行うことで、地域の人々に夢と楽しみを提供します。
・自治体・ファン・サポーターの理解・協力を仰ぎながら、世界に誇れる・安全で快適なスタジアム環境を確立していきます。
・地域の人々にJクラブをより身近に感じていただくため、クラブ施設を開放したり、選手や指導者が地域の人々と交流を深める場や機会をつくっていきます。
・フットサルを、家族や地域で気軽に楽しめるようなシステムを構築しながら普及していきます。
・サッカーだけでなく、他のスポーツにも気軽に参加できるような機会も多くつくっていきます。
・障がいを持つ人も一緒に楽しめるスポーツのシステムをつくっていきます。

【考えるべきこと】
今までの歴史の中で作られてきた事業活動/マーケティングに関する考え方(toC/toB/B2BC)
・クラブ自らホームタウン/地域区域外で行う事業活動/マーケティング
(チケット販売、toCプロモーション/サービス・協賛営業・商品化事業・サッカークリニック)
・協賛企業が協賛クラブのホームタウン/活動区域外で行うマーケティング活動(toCプロモーション/サービス、クラブプロパティを活動した事業活動)など

変わらないこととしては、Jリーグの理念や活動方針、それに基づくいわゆるホームタウンの規定です。Jリーグ規約の24条にありますが、

第24条[Jクラブのホームタウン(本拠地)](2)
Jクラブはホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブ作り(社会貢献活動を含む)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない。

ここに関しては、繰り返しになりますが、原理原則として変えずに、事業活動やマーケティングに対する考え方を、時代の環境変化に合わせて修正すべきところがあれば考え方を修正しましょうということで議論を進めてまいりました。

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