【試合分析】#ユインス の得点までに起きていたこと…MFに求められる資質とは J3第6節 #FC東京 U-23 1●0 #ヴァンラーレ八戸(@vanraure)
失点を喫した場面、八戸の中盤に必要だったこと
本文目次
■MFに求められる資質とは
■ユ インスの得点までに起きていたこと
2019明治安田生命J3リーグ第6節
FC東京U-23 1●0 ヴァンラーレ八戸
https://www.jleague.jp/match/j3/2019/041306/live/
4月13日の土曜日、明治安田生命J3リーグ第6節、FC東京U-23対ヴァンラーレ八戸が行われた。ホームのF東23は、昨年までファジアーノ岡山を率いていた長澤徹監督が指揮を執る。一方の八戸も大石篤人新監督がチームをまとめる。F東23のフォーメーションは「4-4-2」の中盤がボックス型。八戸は「3-5-2」で中盤に3人のセンターハーフ(CH)を置く。両チームのシステムを組み合わせた図は、以下の通りだ。
■MFに求められる資質とは
サッカーでは、中盤のフィールドプレーヤーをミッドフィルダー(MF)と呼ぶ。その意味は、文字通り「ピッチの中央でプレーする人」である。ピッチにおける中盤は、サッカーにおいて最も重要な場所だ。
MFは攻撃と守備、両方に関わる仕事をしなければならない。MFにとって最も重要な資質は戦術眼、つまり視野の広さとプレーの展開を正確に読み取れる力となる。具体的には次のプレーを予測してボールよりも先に動く「ポジショニング」が求められる。予測が正確であれば、攻撃時はチャンスを作り、守備時は危険を防ぐことが可能だ。「的確なポジショニング」と「プレーの選択を間違わない」は、同義なのである。
79分のF東23FWユ インスの得点は、八戸の中盤における「プレスの甘さ」と、サイドからクロスを上げようとするキッカーに対する「寄せの甘さ」がもたらしたと言える。特に中盤の攻防において、相手よりも1歩の遅れを感じた。得点が入る前の中盤の展開を見てみよう。
■ユ インスの得点までに起きていたこと
得点までの経緯を確認することは、失点の原因を探る上で有効だ。ユ インスがゴールを決めるまでに、ピッチ中央では、次のような展開があった。
八戸FW谷尾昂也がボールを奪われる。F東23MFアルトゥール シルバがボールを保持。この時、F東23MF平川怜が前方に走りだすのだが、同時にF東23の右サイドバック(SB)中村拓海や左MF品田愛斗も、前方へと走りだしている。シルバは平川へのパスを選択。平川はドリブルしながら、ユ インスにパスを送る。ユ インスは右サイドを疾走する中村にボールを出し、そのままペナルティエリアに進入する。この後、中村が右サイドからクロス。左サイドの品田へとボールが渡る。ここが得点のポイントとなる。
得点のポイント
ボールに関わったFC東京U-23の選手全員が、中盤で前を向いてボールを運んでいる。
品田のクロスにゴール前のF東23FW原大智が競った後、八戸DFがボールに触るも、こぼれ球をユ インスがゴールへと押し込む。ゴール前では八戸の選手も競れていたが、品田がクロスを上げるまで、F東23は全員フリーの状態で前を向いてボールを保持している。八戸側からすれば、シルバ→平川→ユ インス→中村→品田とボールが渡る中、いずれかのタイミングでMFがF東23の勢いを止める必要があったのだ。
MFにはポジショニングが求められると記したが、その前提として90分間を通してダイナミズムに動き回れる持久力、闘争心が必要となる。「中盤を制するものが試合を制する」と言われるが、失点の場面で、八戸MFは役割を果たせていなかった。
MFが90分間仕事を全うする。八戸がJ3リーグを戦っていく上で、このことが重要になるだろう。
#川本梅花