川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】 #近石哲平「チャレンジしないと何も始まらない」【無料記事】J3第6節 #FC東京 U-23 1●0 #ヴァンラーレ八戸(@vanraure)

近石哲平(ヴァンラーレ八戸)「相手をリスペクトし過ぎていたというか……球際の部分ですよね」

2019明治安田生命J3リーグ第6節
FC東京U-23 1●0 ヴァンラーレ八戸
https://www.jleague.jp/match/j3/2019/041306/live/

――今日の試合は難しい展開になってしまったね。

近石 前で起点ができないから、なかなか攻撃に使うパスを出せない。自分たちがラインを上げて、ボール回して攻撃に行く場面もなかった。試合全体を通してしんどかったですね。

――「しんどかった」という原因は?

近石 相手は、前から激しくプレスに来てるわけではない。ボールを逆サイドにチェンジして1対1になっても、そこで剥(は)がせればいいのですが、なかなかうまく行かない。相手の方が上なんですよね。ボールを持って時間を作れずにいて、結局ボールが相手に渡ってしまう。

――相手の守備は、ピッチの中からライン側に追いやって外に切ってくるやり方をしている。2、3人で人数を掛けてボールを奪う。相手に中盤を潰(つぶ)されていた。試合開始当初は3ボランチだったけど?

近石 そうですね、最初は3ボランチで行って、うまく行かなかって2ボランチにして。また3ボランチにした。なんと言うか、中盤の球際で相手に負けていた。まず、中盤で相手に勝たないといけない。そこからワイドを広げて攻撃に行く。そうしたやり方ができないと、そうして戦えないと、何も始まらない。

――失点を喫した場面を、どう感じた?

近石 まずボールの取られ方が悪いことがありました。この試合、3回カウンターでやられていて、まあ、失点はしていないですけど、その中でPKを取られてしまった場面もあった。そうした流れの中でゲームは進んでいきました。それで失点の場面ですが、うちのボランチが間を通されるポジションにいました。相手にボールを通され、左右に振られ、最後は真ん中からシュートを打たれる。リスク管理というか……もう少しですね、ボランチと話さないといけない。あとは、左右に振られても最後は真ん中で戦えるだけの冷静さを持たないとダメですね。

――相手の左サイドからボールが入った時に、近石くんがスライディングでケアした場面があったよね。ああいうプレーをもっと、ほかの選手にもやってほしい。

近石 相手をリスペクトし過ぎていたというか……球際の部分ですよね。予測して、行ける時は行かないとダメです。行かない部分が多かった。そこは見極めないとならない。チャレンジするところと、そうでないところを見極めないとならない。ただ、チャレンジしに行かないと何も始まらないと思います。

――前半は停滞して、後半残りの15分からチームは活性化した。この時間帯から行けるのに、なぜ最初から行かないのか。ディフェンスという後ろの場所から見ていてどう思った?

近石 あれを最初からやらないと。最後の15分からやっても仕方がない。

――最後になってあれだけやれた、ということは、最初からできるんじゃないの?そう思ってしまう。

近石 気持ちの問題だと思います。この6試合を戦って、前半の試合の入り方が問題です。J3は、ほとんどの選手が初めて経験する場所です。相手をリスペクトするのは分かるのですが、「相手はこのレベルだな」と把握するための様子見になっている。だから、エンジンが掛かるのが遅い。自分たちと相手の力関係を測るのは分かるのだけど、まずは行かないと、何も始まらない。

――もうちょっとだよね。中盤でファイトできる選手がいれば変わってくるんだろうけど。ボランチがバイタルエリアまで行くけど、チャレンジしないで横パスをサイドに出したらインターセプトされるという最悪の展開になってしまう。もうちょっと工夫してほしい。見ていてそう思う。

近石 小さいミスが多い。後ろからは「これを通してくれたら」というのが見えるのですが、そこの質は個人の問題ですよね。

――ここまでのチーム全体の印象を、どう捉えているの?

近石 ヴァンラーレの印象からした、固く守ってカウンターというものでしょうが、今季はボールを持つ時間帯を増やそうというやり方を目指しているので、そういった意味からも、何度も言いますが、ゲームの最初から行かないと。中盤の選手が、試合をコントロールできるようになれば、ずいぶんと違ってくると思います。

――そう言えば、中村太一選手は成長したね。

近石 太一は、昨季までストライカーというイメージだと思います。カミ(上形洋介)とタニ(谷尾昂也)がいるから、太一が気をきかせて、落ちてきて相手を引っ張るなど、スペースを作る役割をこなしています。今日は、太一がいなくて、前と後ろをつなぐ連結部分がいなかった。それに、三田(尚希)もいなかったので、そこが苦しかった。相手を見ながら、逆を取るなど、いま何をしないとならないのを、後ろから見ながら、すごい成長したなと感じます。

――最後に(前節)ガイナーレ鳥取戦[2△2]の後半アディショナルタイムに喫した失点をどう思う?

近石 ああ、あれですね。最初に僕がヘディングしてクリアしました。中盤がペナルティエリアの中に吸収されてしまう。セカンドボールが相手に奪われる。ボールを上げられた時、ラインが1列になってしまった。全員がポジションと相手を見ていない状態になった。ああいう場面でも、もう少し冷静になって、3列を組めるようにする必要があります。

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