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行く前に騒げ(欧州移籍可能性大5名) 月イチ連載「大人になった中坊コラム」

【中坊(ちゅうぼう)プロフィール】
1993~2023年のスタジアム観戦数は962試合。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。
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◎X(Twitter):https://twitter.com/tyuu__bou

 今回、「ヨーロッパへ海外移籍してから注目するのではなく、その前から、Jリーグ在籍時代から有望選手に注目しようよ」という趣旨での「行く前に騒げ」というタイトルである。

 自分は毎年、夏と冬のJリーグからヨーロッパ移籍を全数まとめているが、その数がまぁ多いこと。2桁到達は当たり前。年を追うごとに海外移籍が増えている現状だ。全数まとめている中で知見がたまり、見えてくるものもある。以下、全クラブをフラットに見ている立場と視点から、移籍する可能性大の選手を挙げていく。

 なお、「日本代表に選ばれそうな選手」と「海外移籍しそうな選手」は似てるようでまったく別物であることに、ご留意いただきたい。年齢やクラブでの立場などで、対象者は変わってくる。

 是非、ヨーロッパに行く前にスタジアムで注目して観戦してほしい。今回挙げるのは5名。このうち半分は移籍するとみている(カッコ内は年齢)。

MF 北野颯太(20) セレッソ大阪

 まずは北野颯太。今シーズン一気にブレイクしたニューヒーローであり、絶対にスタジアムで見るべき選手だ。2025年開幕戦、大阪ダービーでの2得点1アシストの大活躍という素晴らしいスタート。その後も得点を量産している。

 彼個人が目立つどころか、もはや今のセレッソが「北野のチーム」になっているのはすごい。すべての攻撃が北野を経由しているし、チームメイトも北野の決定力とクオリティに信頼を置いているのでボールが集まる。その吸い寄せられるボールを、次々とゴールに叩き込んでいるのが今の北野だ。

 セレッソ大阪U-18在籍時、17歳でプロ契約を締結してから今年でJ1は4年目。開幕戦後に香川真司が「今年はキャンプから別人。レベルがひとつ違った」と語るほどのキレを見せている。

 チームは現在、うまく勝ち点を積み上げられないがゆえに、北野の孤軍奮闘振りが際立っている。監督も最後まで下げられないため、試合終盤には疲れが見えてやや精度を欠くところが唯一の課題か。

 北野目当てで見に行った日立台では、期待通りにビューティフルな先制ゴールを挙げた。次世代のスターが産まれる瞬間を目の当たりにした感動。そして、今すぐにでも海外に行ってしまうと思われる中での、貴重な機会を目撃できた嬉しさ。それらの感情に打ち震えた。

 まだ20歳という年齢、そして今季の活躍振りを踏まえれば今夏、遅くともシーズン終了の冬には、ヨーロッパへ行く選手だ。

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