J1第9節全試合振り返りLIVE(J論)【4/7(月)22時】

宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料公開】『We are Diamonds』を歌うTPOを考える 相良純真(URAWA BOYS創設者)✕ロック総統<3/4>

浦和が嫌われることはなんとも思ってない

──先ほど相良さんは「選手のためにスタジアムにいい雰囲気を作る」とおっしゃっていました。その発想って、当たり前のことのようで、実は非常に難しいことのように感じます。そもそもサポーターが、選手の心理状態を汲み取りながら応援に変化をもたせることって、可能なんでしょうか?

相良 選手が気持ちよくプレーしているかどうかというのは、たとえば小野伸二がいたころは、彼の表情を見ていればわかりましたね。楽しそうにプレーしているのか、辛そうにボールを追いかけているのか、すぐにわかる。

 永井(雄一郎)なんかも、失敗すると天を見上げて次のプレーに切り替えるまでの立ち直りが遅いけど、ノッている時はボールを取られてもすぐに取り戻そうと追いかける。今だったら柏木陽介ですかね。そういったところを見ながら、僕はコールを考えるようにしていました。

──総統も選手を見ながら応援を考えます?

総統 僕らはJFLなので、スタンドの声が全部に届いちゃうんですよね。みんなの声で選手を後押しするようなJリーグっぽいことはできないです。良くも悪くも、僕らの声がすぐに選手に届いてしまうので、できれば選手たちに元気になってもらうような雰囲気作りは心掛けていますね。

 とにかくウチの場合、いわゆる「ゆとり世代」が増えてきたので、あまり厳しいことをいうと折れちゃうんですよ(苦笑)。だから「ああ、またこんなミスをして!」と思いながらも「ナイスガッツ!」って言ってやらないと(苦笑)。

相良 それはウチの選手もそうです。ヨイショしてあげないとダメな子たちも増えてきているんですが、ウチのサポーターはけっこう選手を叩いてきていて「それで立ち上がれないなら、お前はいらない」って感じになってしまっている。

総統 その関係はよくないよね。僕も最近、そのへんは意識して、ゆとり世代は褒めたほうがいいプレーをするんですよ。チャンスで空振りしても「ナイスガッツ!」だし、試合に負けてあいさつに来たら「お前、もうちょっとボール追いかけないと」って、ニコニコしながら言うようにしています。

 あとはリザーブの選手も腐らないように気を配っていますね。「どうせ今日も使われないんだろ」という顔をしながらアップしている選手がいると、監督に聞こえるように「●●は調子いいぞ、いい感じでアップしているぞ!」って言って煽っています。監督にはよく聞こえているらしく、笑いをかみ殺して交代カードを出しに行っていますが(笑)。

──選手を褒めて伸ばすという発想は新鮮ですね。

総統 雰囲気をよくすることがいいと思っているし、ブーイングでチームの雰囲気がよくなる試合って、僕自身のサポーターキャリアではほとんど経験がないんですよね。それにブーイングなんて、鹿島をサポートしていた時に百年分やっていますから、もう本当にお腹いっぱい(笑)。

──本当ですか(笑)?

総統 話を思い切り戻すと、浦和サポが今回バスを囲んだのが誤解だったとして、それでも「やっぱり浦和か!」みたいに言われてしまう風潮ってあるじゃないですか。それは母集団が大きいということもあるかもしれないけど、土地柄みたいなものってあるんじゃないですかね? 浦和の駅前って、車高を落とした中古のクラウンとか普通に走っているじゃないですか。さっきも見つけて「ああ、そういう土地柄なのかな」って、僕なんかは思ってしまうんですが。

相良 うーん、どうなんですかね。いちおう文教都市なんですが(苦笑)。

総統 じゃあ、あれは大宮の車だったかもしれないな(笑)。

相良 今回の件に関して僕は、メディアの影響というのもあったと思うんですよね。「浦和サポーターがバスを囲んだ!」って書いたらセンセーショナルになるし、浦和の担当記者の中にも「ミシャのサッカーはもういいんじゃない?」みたいな書き方をしている人っていると思うんですよ。僕らみたいに、いつも試合や練習を見ている人間だったら、そんな記事に惑わされることはないんだけど、SNSなんかでそういう記事を鵜呑みにしてしまう人って、どうしてもいるんですよね。

──その一方で、これだけファンが多くて話題性もあると、どうしてもアンチが生まれやすいと思うんですけど、その点はいかがですか?

相良 嫌われることに関してはなんとも思ってないですね。好かれたいと思ってやっているわけじゃないし、そうなったら戦えないですから。

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