【無料公開】自民党が推薦した理由と立候補の条件 もしも広瀬一郎が静岡県知事になっていたら<2/4>
■自民党政権は「ビジネスをわかっていない」?
──では、具体的な選挙の話に移りたいと思います。まず知りたいのが、広瀬さんを推薦した自民党側の事情です。なぜ自民党は、広瀬さんに打診したんでしょうか?
広瀬 みんなに断られたから。明らかでしょ(苦笑)。
──そうなんですか(笑)。
広瀬 あのタイミングで声を掛けたということは、そういうことだよ。
──静岡出身の有名人やタレントって、他にもけっこういると思うんですが。
広瀬 それも断られたんだろうね。
──逆に、先ほどお話されていたような広瀬さんのバックグラウンドって、自民党の人たちはあまり知らなかったんじゃないかと思うのですが。
広瀬 だろうね。東大法学部を出て、ワールドカップ招致活動とかJリーグ経営諮問委員会とか、そういうことをやっている人くらいの認識しかなかったと思う。ここまで僕が地方自治について、昔からいろいろ考えて行動していたことなんかも知らなかった。もっと言えば、安倍政権の成長戦略を具体的に考えているのなんて、誰もいないんだよ。なぜかというと、ビジネスがわかっていないから。
──2世、3世の議員ばかりだと、確かにそうでしょうね。
広瀬 既存の産業の伸びしろを確保するということと、今はまだない新しい産業を作ることの2つを分けないと成長戦略にならない。後者で一番見込みがいいのは、新エネルギー政策。これは間違いない。前者の方は、日本自体に中規模の市場があるから、これまでは国内しか見ていなかった。だから良いものを作れば売れるとか、良いサービスがあればいいとか、ずっとそれだった。
今、必要なのは「ここにこういうものがありますよ」って、ちゃんとアピールすることなんだよね。特に、農業とか漁業とかの第1次産業。中国の共産党幹部がびっくりしていた。「そんなに良いものがあるの? 沼津の干物、コンテナ1台分の見積もりをくれ」って。沼津の人もびっくりして「そんなに作ってません!」って(笑)。でも、美味しくて安全な干物なんて、中国にはないから。
──そりゃ、そうですよね(笑)。
広瀬 今は北海道がすごいことになっているよね。上海、北京、東南アジアにおいては「北海道=グルメ」というのが定着している。あれは北海道庁が、職員を領事館に派遣しているから。本当は沼津の干物も「良い物がありますよ」じゃなくて、「こういうものが誰に対して、どう受けるのか」をしっかりリサーチしないと。それがマーケティングというものでしょ? 静岡ならお茶ね。絶対にウケる!