なんとも世知辛い話になってしまった、けれども 2023年を『異端のチェアマン』を中心に振り返る
間もなく2023年が終わる。今年もまたたく間に1年が過ぎていった。皆さんも実感しているだろうが、年齢を重ねるごとに年月の流れが光陰のように感じられる今日この頃。とはいえ57歳の私にとり、今年は非常に印象深い1年となった。いうまでもなく、私のブックライターとしての集大成となる『異端のチェアマン』を上梓することができたからだ。
フリーランスとなった1997年以降、いくつかの節目となる年があった。初めてワールドカップを現地取材した1998年、スポーツナビの立ち上げに関わった2000年、ハーフウェイカテゴリーの取材を始めた2005年、ミズノ・スポーツライター賞を受賞して文字通りのキャリアハイだった2010年、当WMをスタートさせた2016年、コロナ禍でさまざまなものが流転した2020年。これらの節目の年のひとつに、2023年も加わるはずだ。
もっとも今年は、環境が劇的に変わったわけでもなければ、大きな飛躍があったわけではない。極論するなら、ただ1冊の書籍を世に送り出しただけの話。この間、私がやってきたことといえば、愚直に取材とミーティングを続け、資料を読み漁り、そして西荻窪のコワーキングスペースでの執筆に没頭した。絵面(えづら)としては、まったく面白みがない。
それでも今年は、そうした作業の連続の中で、自分自身の軸が固まった1年でもあった。これから自分が何をすべきか、そのために何を捨て去るのか、判断の正否はともかく覚悟は決まった。集大成となる書籍を完成させた今、そこからどういう方向に歩み出そうとしているのか。以下、会員の皆さんに打ち明けることにしたい。
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