三浦知良の移籍が「濃厚」と報じられるJFLクラブ 鈴鹿ポイントゲッターズについて私が知っていること
2021年最後のコラムは、カズこと三浦知良の移籍が「濃厚」と報じられるJFLクラブ、鈴鹿ポイントゲッターズについて語ることにしたい。
私がこのクラブを初めて認識したのは、FC鈴鹿ランポーレから鈴鹿アンリミテッドFCにクラブ名を変更した2016年である。この年、鈴鹿は全社枠で地域CLに出場して、初めて決勝ラウンドに進出。しかし「勝った方が昇格」という、ヴィアティン三重との同県対決で敗れ、JFL昇格はならなかった。
この頃、地域リーグウォッチャーの間で鈴鹿は「お嬢様」と呼ばれていた。植物発酵エナジードリンク『お嬢様聖水』のロゴが背中に入っていたからだ。当時、鈴鹿は東海リーグ所属だったが、あまり地域リーグを見ないファンの間でも「鈴鹿といえばお嬢様(聖水)」と知られるようになり、しかも『お嬢様聖水』の売り上げにも少なからず貢献している。その頃から私は、このクラブの目端の利いたイメージ戦略を感心しながら見ていた。
その後、鈴鹿は2018年の地域CLを突破し、翌19年から戦いの舞台をJFLに移す。その年の夏、このクラブを取材したレポートは、昨年上梓した『フットボール風土記』にも収録されているので、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。本稿では、当時の取材ノートから引用しつつ、今回のスキャンダルやカズの移籍について思うことを記すことにしたい。その前に、今回のカズの移籍報道について、一言だけ。
今回は現所属の横浜FCを含め、来季のJ2から地域リーグまで8クラブがカズにオファーしていた。その過程は毎日のように報道され、結果として一般的には知名度の低いハーフウェイクラブの名前を全国的に高めることとなった。これまで、このカテゴリーのクラブが話題になるには、天皇杯でジャイアントキリングを成し遂げるくらいしかなかった。それと同じくらいの影響力を、カズは持っていたことが、あらためて示されたこととなった。
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