VONDS市原FCはいかに全社を戦い、どう地域CLに臨むのか? WMイベント「セルビア人指導者が見た日本のアンダーカテゴリー」<2/2>
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■「5人交代」がありがたかった理由
――全社のレギュレーションについては議論も尽きないかと思いますが、今大会でのVONDS市原の戦いについて振り返ってみたいと思います。私は2回戦のサウルコス福井戦を取材したんですが、すごい試合でしたよね。先ほど「2-0は危険なスコア」というお話がありましたけど、福井は前半に3点も取って「ああ、これは決まりかな」と思っていたら、後半の40分でVONDSが4点を取ってひっくり返します。正直な話、ゼムさんはこの展開を予想しました?
ゼム 僕は最初から負けるとは思わないし、最後まで(試合は)諦めないですよ。この試合、相手は3点入れたけれど、だったら残りの40分もウチは同じことができると思ったし、選手にも自信があった。今年の関東リーグも逆転の試合が多かったから。
千田 選手にリバウンド・メンタリティが生まれてきたという感じですか?
ゼム 自分のやるべきことと、自分のことを信じること。それをチームとして、お互いに共通理解とサポートし合うことができていたね。だから最後まで諦めないし、結果として逆転する試合が多かった。
――1回戦が高知ユナイテッドで、1点リードされてから3点入れて勝利。2回戦が0-3から4-3という大逆転劇。3回戦がアルテリーヴォ和歌山で、2点リードしたけれど追いつかれて、最後に引き離すというスリリングな展開。準決勝はスコアレスのままPK戦まで行って松江に敗れましたけど、3位決定戦ではFC TIAMO枚方にやはり逆転勝利でした。これほど接戦をものにする試合が続くと、選手も自信がつきますよね。
ゼム ここまでさんざん全社の悪口を言ってきたけど、今大会は5人交代できることになったのは素晴らしかったよね。ウチは22人しかいないから、どんどん選手を入れ替えることができて、とても助かりました。
千田 これも今年からのレギュレーション変更?
――今年から3人交代から5人交代になったんです。あれは監督としては、かなり有利だったんでしょうか? 実際問題として「連戦で毎試合メンバーを変えるのは不利」というのが、全社や地域CLでは不文律みたいになっているんですが?
ゼム 僕はそうは思わない。むしろバスケットボールやハンドボールみたいに、自由に選手を入れ替えることができたほうが絶対にいい。これはオシムさんも昔から話していたこと。一度引っ込めた選手を、状況に応じて再び使う。攻撃でも守備でもバリエーションが生まれて、監督としても力が発揮できるよね。
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