宇都宮徹壱ウェブマガジン

ハリルホジッチ監督の通訳2人体制を考える 羽生直行と樋渡群、それぞれの持ち味とは?


 アル・アインで開催されたワールドカップ・アジア最終予選の対UAE戦を取材して、3月25日に無事帰国した。幸い、現地ではトラブルはまったくなかったものの、成田に到着してから思わぬアクシデントが発生。結果として3時間、空港から出られなくなってしまった(詳細は明日アップ予定の日記に書かせていただいた)。それでも、敵地から勝ち点3を持ち帰ることができた至福感が削がれることはない。28日に埼玉スタジアムで行われるタイ戦でも連勝できるよう、引き続き緊張感を保ち続けることにしたい。

 さて、最終予選折り返しとなる今回のシリーズでは、日本代表、というよりヴァイッド・ハリルホジッチ監督周辺に大きな変化があった。16日にJFAハウスで行われたメンバー発表会見で、通訳がこれまでの樋渡群さんから羽生直行さんに変更されていたのである。正直、この変更には私も少なからず驚かされた。というのも羽生さんは、ハビエル・アギーレ監督時代にスペイン語と英語の通訳として活躍しており、まさかフランス語までできるとは思ってもいなかったからだ。

 果たして羽生さんは、普通にフランス語の通訳をこなしていた。さすがに「完ぺきに」とは言い難かったかもしれない。途中、何度か監督に細かいニュアンスの確認をしていたし、フランスが理解できる人に言わせると「少しだけ間違いもあった」という。それでも「短期間のトレーニングで、あれだけできるようになったのであればすごいこと」とも評価していた。いくら同じラテン語系とはいえ、スペイン語が話せるからといってフランス語がすぐにマスターできるわけではない。最初の会見は及第点以上。これから場数を踏むことで、さらに精度を増していくことだろう。

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