【サッカー人気3位】【浦和を語ろう・激論編】セレッソ戦を前向きに厳しく振り返る…

中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】震災から1年経った能登の今②伝統的なしょうゆ・みそを作る谷川醸造が戦う復興への道。現地に行かなくてもつながりを作ることはできるはずだ

▼ ようやくスタート地点?

輪島市を再訪した。

夕方から輪島市の子どもたちを中心にサッカー交流会を行うことになっている。その前に輪島市の今を見るために、ツンさんが車でぐるっと回ってくれた。大きな火の手が上がり、大変な惨状となった朝市は更地になっていた。やっとここから復興に向けてスタートできる状況になりつつある。

8月に訪問した際、朝市があった場所の様子

でも全てがきれいになっているわけではない。輪島市の一部は9月の水害でまた大きな被害を受けた。水だけではなく土砂が襲い掛かり、かき出すのに非常に多くの時間を要したという。悲劇もあった。中学生の女の子が帰らぬ人となってしまった。友達の、友達だった。無事を祈ったけど、心から助かってほしいと祈っていたけど、友達も捜索活動で何かできることはないかと必死だったけど、でも、その思いは届かなかった。

現地の人たちは何度絶望と向き合わなければならないのだろう。

輪島のサッカーチームで指導者をされている一人は谷川醸造という醤油やみその醸造所を営む方だ。地震で蔵がつぶれてしまった。木桶仕込みのしょうゆは日本国内全体でもわずか1%という希少価値の高いものだったが、その蔵が自身で一瞬で崩れてしまった。20年近く働いていた従業員が、避難が長引きそうだから退職したいという申し出もあったというのをXで読んだ。

ツンさんが連れていってくれた谷川醸造さんは解体作業がまだまだこれからという状態だった。これでもだいぶ進んではいるんだけど、《復興》を考えたら、まだその道は遠いことを思い知らされる。

悲しいことばかりしかないのか。本当に苦しい思いになる。

そんな途方もなくつらい状況でも谷川醸造の方々は自分達の蔵の再建に向けて立ち上がり、戦い続けている。少しずつ少しずつ、再開が進んでいると伺った。谷川さんからサッカー交流会のお礼にと、谷川醸造さんの商品セットをいただいた。とてもオシャレで、とても美味しそうな《肉みそ》《柚子ドレッシング》《麹のディップソース》《唐辛子みそ》《麹とゴマのディップ》。

ありがたくドイツへと持ち帰った。食卓に並べて、家族で心から感謝しておいしくいただこうと思う。

皆さんもぜひオンラインショップを覗いてみてほしい。皆さんにも日常がある。輪島まで足を運ぶのが難しいのはわかっている。でも輪島との、能登とのつながりは、行かなければ作れないわけではない。

谷川醸造オンラインショップ

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