【サッカー人気2位】【浦和を語ろう・激論編】セレッソ戦を前向きに厳しく振り返る…

中野吉之伴フッスバルラボ

【グラスルーツ】百聞は一見に如かずが持つ力は本当にすごい。ドイツとオランダのグラスルーツ研修で参加者が出会ったもの①

▼ ドイツ・オランダ研修ツアー振り返り①

2017年から池上正さんが行っているドイツグラスルーツサッカー研修ツアーで現地アテンドを担当させてもらっている。この研修一番の目的はグラスルーツにおけるドイツのサッカーへの取り組みを実際に間近で感じてもらうこと。

昨今、様々な情報を手に入れることができる。僕にしても、池上さんにしても自身の本の中で、あるいはいろんな媒体でのコラムを通して、「現場はどうあるべきか」を伝え続けている。全国を回って各地で講演会や指導実践を繰り返している。それぞれの会場にはいつも多くの方々が足を運んでくれるし、「なるほど!確かにその通りだ」と感銘を受けて、実際に自クラブで積極的に行動されている方々も間違いなく一定数いる。

そんな方々でも、実際に現地で体感することの衝撃はとても大きい。どれだけ言葉を重ねても、どれだけ写真や動画を見せても、現地でその空気を感じること以上に揺さぶられるものはない。

《研修》《視察》ということでドイツをはじめ、欧州各国に足を運んでいる人は少なくない。でもトップトップのブンデスリーガの施設や練習・試合を見学して「すごい!すごい!」と感嘆するだけではなく、グラスルーツにおけるドイツサッカークラブのあり方、育成年代でのサッカートレーニングと試合環境、それに対してドイツ社会がどんな関わりをしているのか、育成指導者をどのように育んでいこうとしているのか、というところまで掘り下げて見れるプログラムはそうはない。

そうした観点からも池上さんと企画しているこの研修プログラムには大きな意味と価値と将来性を感じている。

デュッセルドルフの練習見学で日本代表MF田中碧選手にサインをもらえる機会も

▼ 16歳によるレクチャー

今年は8月20日から28日まで8泊9日のスケジュール。今回は諸事情があり、現地集合現地解散という新しいパターンでの開催となった。デュッセルドルフのロビーで参加者の皆さんと無事に合流し、ロビーの一角でまずはうちの長男(16)によるドイツサッカーのレクチャーでスタート。

パワポにまとめた資料をもとに、ドイツにおけるサッカーの仕組みと一般的な年間スケジュール、育成における普段のトレーニングの様子を彼の経験とともに語ってもらう。

参加者の皆さんはその内容を熱心に聞いては質問をして整理をしていく。

サッカーのことだけではなく、ドイツにおける学校生活について、授業内容について、進学について。

質問は多岐にわたるが、その一つ一つに丁寧に答える長男の様子に参加者の一人が驚いてこんな質問をしていた。

「こうしたプレゼンというのは普段の授業でやったりもするんですか?」

初見の複数の大人を相手に、プレゼン資料をもとに内容を相手が気になるであろうことをイメージしながら深堀して説明していく。質問に対して相手の意図を理解したうえで答え、それに対する補足情報を付け加える。

自分の言葉で論理だてて説明し、相手の意見を理解したうえで議論するというのを日本の高校生はどのくらいできるだろうか?いや、大人でも果たしてどれくらいできるだろうか?

ドイツの学校における採点は筆記テストによるものだけではなく、口頭テストだったり、普段の授業への参加度や発表内容もだいぶ加味される。授業で取り扱った範囲をテーマに沿ってまとめて、プレゼンをするのは頻繁に行われる。

まとめればそれでオッケーではなく、パワポの構成やメモの準備、論理的な組み立てなどが評価の対象になる。だからだろうか。学生時代から人前で発表する経験が多いドイツ人は論理的な話し方がうまいという肌感覚がある。

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