【無料記事】2020年を振り返る。そして来年もポジティブにクリエイティブに毎日を過ごしていきたい
▼ 2020年を振り返ってみる
新型コロナウィルスに人類すべてが振り回された年が終わろうとしていますが、どんな気持ちで年越しを迎えたらいいのか、わからないというのが正直なところかもしれません。
こうした事態の中で暮らすことが初めてなので、それもそうかと納得してしまえばそれで済むんでしょうし、自分一人の力では到底何かすることができない事態だったわけだから、まあしょうがないかとわりきってしまうところも必要なのでしょう。
ただ年明けと同時にすべてが急にまた回復に向かって進みだすなんて魔法が発動されることもないわけで、だから「来年はきっといい年になる」ということを口にするのが、無責任なんじゃないかなんて気にはなったりするものです。
先のことはわからない。
今後世界がどうなってくるかはまだまだまだまだ全くわからない。
でも、この1年間はこれまで以上に自分たちの生活を支えているもののありがたさを感じた年だったことは間違いないと思います。当たり前にそこにあるはずのものは、実はちっとも当たり前なんかじゃない。
外を出歩くことがどれだけ素敵なことなのか。
サッカーができる生活がどれだけ幸せなことなのか。
家族で一緒にいられる時間がどれだけかけがえのないことなのか。
※ 今年最後なので、1月から12月までにアップしたコラムから各月1本ずつをピックアップしてご紹介してみたいと思います。新年は4日からスタート予定です!あと、2日にWEB講習会の情報をアップします。
挨拶しなさい!と怒鳴るより、大人がきちんと挨拶を交わす。勉強しなさい、と叱るより、自らが積極的に学び続ける。道徳の教科書をより、困っている人を助ける大人のリアルな姿のほうがきっと子どもの心に残る。大人として胸を張れるよう、我々も一歩一歩がんばりましょう。https://t.co/KMl0A9JxP4
— 中野 吉之伴 フッスバルラボ 事務局 (@kichi_maga) January 24, 2020
挨拶は大事ですかって聞いたら、おそらく100人中100人が挨拶は大事ですって答えるでしょう。でも、100人中100人が挨拶をするかというとこれがしないんですね。
子供たちに「ちゃんとコーチに挨拶をしなさい!」というけど、自分は足を運んで挨拶はしない。そんな背中を子どもはどんな思いで見ているんでしょうね?
▼ 2月:ドリブラーってなんなんだろう?
昨日更新の『子どもと育つ』では、さっそく読者の方から頂いた質問にお答えしました。
Q.ドリブル縛りのチームってドイツにあるんですか?https://t.co/NTt5UhyV1I
回答はこちらから。さらに、お返事が長くなったので「ドリブル」をテーマにさらに掘り下げたコラムを近日中にお届けします。
— 中野 吉之伴 フッスバルラボ 事務局 (@kichi_maga) February 18, 2020
ドリブルが悪いんじゃない。ドリブルはサッカーの試合の行方を左右する大事な武器だ。それなのに、日本の子供たちは武器の使い方を知らないまま育っている気がしてしょうがない。
いつ、どこで、どんな場面で、どんな状況で、どんなふうに使ったら、どんな効果があるの?
そこがわかるか、わからないかのところを選手のセンスに頼っていたら、間違った運用しかできないドリブラーが増えてしまう。
▼ 3月:ドイツに来てからの歩み
ブンデスリーガの試合が止まってしまっている今、ぽっかりと時間が空いたこのタイミングを使って、中野吉之伴が指導者としての原点を振り返ります。https://t.co/kQy69fcFcH
— 中野 吉之伴 フッスバルラボ 事務局 (@kichi_maga) March 21, 2020
なんで僕はドイツに来たんだろう?なんで僕は指導者を目指したんだろう?いろんな可能性がある中で、僕はだれにでもできるかもしれないけど、きっと誰もがやらないだろうことに、生涯をかけて挑戦をしたかった。
その道が20年以上続くだなんて思いもしなかったけど、あの日踏み出した一歩の偉大さを今ひしひしと感じたりしている。
▼ 4月:シュツットガルト育成GKコーチの松岡さんとインタビュー
【新規記事】
先日REAL SPORTSさんでシュツットガルトの育成GK松岡祐三郎さんのインタビュー記事を寄稿したが、他にも興味深い話がいろいろとあったので今回WEBマガジンでアップしたい。
https://t.co/nP8gi8uRvg— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) April 27, 2020
「なんで日本だと子どもたちはGKをやりたがらないんでしょうね?」
そんな質問をよく受けます。グラウンド環境は一番大きな問題かもしれませんが、それ以前にGKというポジションの大切さ、素晴らしさ、楽しさ、すごさを理解し、そのことを伝えようとしている大人がやっぱり少ないことが影響しているんじゃないかと思っています。
「GKってそんな簡単にシュートを止められたりしないんだ。決められたってしょうがないんだよ。でもね、だからこそGKのセーブっていうのはすごいんだよ」
子どもたちにちゃんと伝えていこうじゃないですか。
GKって、素晴らしいポジションで、GKって、すごい選手なんですよ!
▼ 5月:ベテランって何がすごいんだろう?
サッカーに限らずあらゆる分野でセットで語られる「ベテラン」と「経験豊富」という言葉。では経験がもたらす価値とはなんでしょうか?経験の蓄積から最適なプレイを常にアップデートし続ける、長谷部誠選手について書きました。https://t.co/ZZFTRUv2yn
— 中野 吉之伴 フッスバルラボ 事務局 (@kichi_maga) May 26, 2020
試合の流れを読む、相手の動きを先取りする。
言葉で語るのはだれにでもできるけど、それを実践するのは何と難しいことか。ブンデスリーガという過酷なリーグの中で、もうじき37歳となる長谷部誠がいまでもプレーできるのは本当に素晴らしい。
▼ 6月:心が震えた3か月ぶりのトレーニング
【新規記事】
3か月ぶりの再会が僕らの最後のトレーニング。もう来季へ向けて新チームへ移行しなきゃいけない時期。でもまだしばらくみんなとサッカーできると思っていたんだ。
突然目の前に現れた別れの時。
僕のすべてを込めたトレーニングをしよう。https://t.co/vTvjez67HA— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) June 6, 2020
新型コロナウィルスの影響でロックダウン。3月からサッカーは一切できないものになってしまった。
当たり前だったものが目の前から姿を消す。
しょうがないって思っていた。それでも我慢しなきゃねって思っていた。
しばらくするとサッカーがない生活がちょっとずつ普通になってきて、慣れてきたのかなって気もしていた。
でも、
久しぶりのサッカーグラウンドで、久しぶりに子供たちと会うことができて、笑いあうことができて、サッカーで会話をすることができたとき、
僕らの中から本当に大切なものがどこかに行っていたんだってことを再認識した。
▼ 7月:ザルツブルクU15コーチの宮沢さんとインタビュ=
チームのために自分を抑える日本の環境から、みんなずるくて負けず嫌いで感情むきだしの欧州サッカーの世界へ。ケルンとザルツブルクで日本人プロ選手の通訳を務め、またザルツブルクで育成指導者としても活躍する宮沢悠生氏の軌跡。 Numberで掲載されたものを全文公開します。https://t.co/jbiLT9KWxh
— 中野 吉之伴 フッスバルラボ 事務局 (@kichi_maga) July 22, 2020
宮沢さんと中野さんのやり取りの中で「解放」ってワードがすごく引っ掛かりました。「解放」とは、制限されたりしているものを、ときはなして自由にすること。子どもは学校や家庭、社会の中で、感情を出すのを良しとしない、我慢することを学んでいくのでしょう。
でも、感情って人間とは切っても切り離せない大切なものであるし、サッカーという非日常空間でも感情を出すことができないのは、どこかおかしいんじゃ。。。小学校低学年ではめっちゃ楽しそうにサッカーしてるのに、高学年になると途端にサッカー中の笑顔が少なくなるように感じます。
そもそもサッカーって楽しいし、どの年代でもサッカーの魅力自体は変わらない!! だからこそ、携わっていく人たちの心持が大切だと思います。サッカーを楽しむために、指導者として、チームとして、地域としてどう取り組んでいくか。僕自身もっと考えていきます!(編集:磯貝)
▼ 8月:育成アドバイザーになりました
【有料コラム】
日本にある一般的な街クラブで外部から育成アドバイサーとして関わることで、いろんな相乗効果を生み出したい。複雑な専門性ではなく、環境と考え方の整理をしていくことでクラブ全体の土台を確かなものにする手助けができたらと思っています。#吉之伴 https://t.co/HzDM0g8dPD #
— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) August 5, 2020
新しい挑戦としてスタートした町クラブの育成アドバイザー。
僕らはサッカーの中でみんな共通言語で会話をしていると思っているけど、自分で思っている以上に意図していることが伝わらないことがたくさんある。
これはわかっているよね?と思っていたことが全然違う風に解釈されていることがある。
暗黙の了解をそのままにしないで、でもそれをやりすぎてそれまであった関係性がぎくしゃくしないためにも、外部の人間が関わることで組織の風通しの最適化を図る。
9月:元ドイツ代表DFとのインタビュー
【有料コラム】
ルーカス・シンキビッツとのやり取りの未公開部分をフッスバルラボでアップしました。元ドイツ代表DFの至言に耳を傾けよう。
「指導者ライセンスを取っている指導者を多くそろえることが、そのままいい指導者を揃えていることになるわけでもない」https://t.co/1hQ020upEo— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) September 30, 2020
指導者って何だろう?子供が育つって何だろう?
物事の表面だけしか見てると本質はわからない。
物事を複雑に考えすぎると入口とも出口もわからなくなる。
それぞれにそれぞれの考えがあると思うけど、僕はルーカス・シンキビッツの言葉がとても好きだ。ストレートで、シンプルで、ダイレクトに響く。
▼ 10月:認知トレーニングWEB講習会の一部を公開
【有料コラム】
認知トレーニングに関するWEB講習会の振り返りコラムです。前半部の参加者からのアンケートは無料で読めます。ぜひご参考に!-漠然としていた部分が、理論的に整理できた
-認知TRが発達心理とも密接な関わりを持っていて大変興味深かった— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) October 6, 2020
状況を自分で認知して、判断して、決断して、実践するプロセスの頻度と質。それこそが成長には必要不可欠なもの。
ではいう取り組みをして言うことが望ましいのかというのをまとめてあります。
認知トレーニングに関しては今後も取り上げていく予定です。
11月:藤代さんと対談
「眼で見たものが固定概念とか先入観を生み出して、それが壁となって、あの子はこういう子というレッテルを貼ってしまうとなかなか打破できない。
現場で一人でみている状況だと多角的にもならない。子どもたちとの関係性はなかなか良くならない」
深く考えたいところ。
https://t.co/o349KRILDO— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) November 15, 2020
相手の立場を考えなさいって僕らは簡単に口にするけど、そもそも人間って相手の立場をどこまでわかることができるんだろう。
質問メンタルトレーニングコーチの藤代圭一さんとの対談では「人間同士のコミュニケーションとは?」「相手を思うやりにはどうしたらいい?」「問いかけるとはどうすることか?」「可能性って何だろう?」などなど、ほんとうにいろんなことを掘り下げた話ができましたね。
▼ 12月:池上さんとのWEB対談
池上 今回皆さんにぜひ聞いていただきたいところでいうと、その立ち上げたチームでプレーしている4年生の子の1人は、サッカーを初めてしたという子なんです。最初スクールで参加していた時にはボールが来るとすぐに蹴る、とにかく蹴ってしまう。そんな子だったんですが、チームに入りたいといって入ってくれたんですね。
2か月くらいたって、その2試合とかを経験したという段階なんですが、昨日もスクールがあったんですが、コーチとその4人チーム対スクール生とのゲームみたいな感じでやっているんですね。
そうすると、その初めてサッカーをやっているその子が、いまではもうすぐに蹴らない。ちゃんと見てパスをする。シュートもどんどん決めるんです。
え?どうしたんだろう?というくらいの変化ですよ。
私の指導を見られた方も多いと思いますが、わたしは「ああしろ、こうしろ」という指導はせずに、「今どこを見てたの?」とか、「こんな時はどうしたらいいと思う?」という問いかけをしているだけで。練習だと2対1とかをやっているんですが、そのなかでその子がどんどん変わっていっている。
私にとってもとても興味深いことなんですね。6年生までぜひ面倒を見たいなぁと思って、お母さんとお話をしています。6年生になったときにどんなふうになるか楽しみですよね、という風に話してますね。
それがいますごく興味深いところです。