中野吉之伴フッスバルラボ

観客が戻ってきたブンデスリーガ。まだ10%の動員率だけど、間違いなく大きな一歩となった

 

▼ 半年ぶりの現場からリポート

ブンデスリーガは新シーズンがいよいよスタート。

いつもとは違うことだらけの今、正直試合が行わるだけでもすごいことだ。昨シーズンは新型コロナウィルスの影響で3月途中に中断した後、5月中旬からリスタートに成功。最後まで無観客試合でいかざるをえなかったが、観客のいない試合をテレビ映像を通して追いかけるというのはそれはそれで面白い。

選手や監督コーチ陣の声がダイレクトに聞こえるのはとても興味深かったし、これまでの試合ではわからなかった選手間のやり取りからは新鮮な印象を受けていた。ブンデスリーガ終盤の白熱した順位争い、CLでのドイツ勢の躍進というドラマ性も十分に魅力的なものがあった。

いずれにいてもできないことを嘆いていても仕方ない。リモートを最大限に活用しながら新しい取り組みをどんどんはじめ、状況が好転してくるタイミングまではいろんなことにチャレンジしていく。

これまで時間がなくてできなかったことにもしっかり時間を使って向き合うことができたし、家で活動するから家族との時間も間違いなく多かった。ネガティブなことだけではないのだ。

それに取材にいかなくなったことで電車代や宿泊費などの経費が全くかからずと、そんなプラスの面もあったりした。

とはいえ、いつまでも取材活動ができないというのだとやっぱり困る。そこで、観客動員の可能性が議論されているなかで、ひょっとしたら取材陣への制限も緩和されているのではないかとフランクフルトの広報に連絡を取ったのが、開幕戦の1週間ちょっと前。

すぐに返事が届く。

スタジアム地下にあるプレスルームは閉鎖されているし、試合後のミックスゾーンでの選手取材や監督会見もまだ門戸は開かれていないそうだ。そのあたりは覚悟していたからしょうがない。新型コロナウィルスの拡大抑制は緩和されてきているものの、かつての通りにできる状態ではないのは誰もがわかっている。

まだまだ時間は必要なのだ。

ただ、広報からのメールには「それでも取材に来ますか?」とも書き添えられていた。

おお!現場に行ける?!

取材に行っても日本人選手のコメントは取れない。たしかにそれがないと、日本メディアではなかなか記事になりにくいのは理解している。でも、いやだからこそ、それ以外の切り取り方、見せ方がこれからは大事になってくるのではないだろうか。

コメントがある=いい取材記事、という図式だけではないはずだ。

テレビで見るだけではわからない景色が必ずあるのだ。スタジアムに足を運ぶからこそ気づける視点もたくさんあるはずなのだ。

それに何より、僕はスタジアムに行きたい!

あそこでサッカー劇場の中でダイレクトに感じたい!

広報に取材に行きたい旨を伝えると、申請は無事におりて、衛生対策に関する細かい情報が送られてきた。試合会場はどんな感じなんだろう?ファンはどんな雰囲気を作ってくれるのだろう?

当日の試合リポートをここでお届けする。

1.試合当日の道中リポート

2.スタジアム周りの様子

3.スタジアム内の雰囲気(動画もあり)

4.試合後の選手・監督コメント(長谷部誠、両チーム監督、ゼバスティアン・ローデ、バス・ドスト)

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