Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】シーズン移行の検討状況について「シーズン移行で実現すべき事について再整理を行っているという観点と、シーズン移行するのであればどんな懸念があるのか5点について現状の解決策や進捗を報告させていただきました(Jリーグ・樋口氏)」

11月28日、Jリーグの理事会が行われ、理事会後にシーズン移行の検討状況に関するメディアブリーフィングが行われた。
今回はJリーグ・樋口フットボール本部長が説明を行った。

※これまでに話した事や内容が重複している部分については割愛しています。

○Jリーグ・樋口順也フットボール本部長


シーズン移行のこれまでの検討について、繰り返しになりますが4月から検討を始めておりまして、今最適なシーズンがどちらなのかという決断の意見交換をおこなっております。次の30年に向けて、まず目指すべき状態ということで次の10年間で何を目指すのか、その中で戦略として次の5つを掲げている状態です。

今回、シーズン移行で実現する事ということで、これまでACLと一致させるとか夏の試合を減らすとか並列に並べているだけでしたが、改めてクラブと意見交換をする中で再整理をおこなっております。

一番重要なのがJリーグ自体を世界と戦う舞台に変えようと大きく掲げさせていただいています。ずっとインテンシティのカーブ、Jリーグが谷型でヨーロッパが山型になっていてという話をしています。低いところを休むことで改善することも大事ですが、それと同じかそれ以上にカーブが大事なんじゃないかという意見交換を行っています。谷のカーブを山のカーブに変える事が大事なんじゃないかと思います。

これまでJリーグは谷型のカーブで30年間過ごしてきましたが、アスリートの方にもご意見をいただきましたが、開幕してからコンディションを落ちていく事を耐える耐える耐えるというシーズンを過ごしていく事になると、アスリートとしては日々鍛錬を重ねて、自分がどれだけの高みに到達できるかを目指していく山型のカーブ、このシーズンを何年も過ごすことによってアスリートとして到達できる所が大きく変わるんじゃないかというご意見をいただきました。
またアスリートの意見だけでなくて、運動生理学の専門家の方にも少しアドバイスをいただきまして、シーズンを変える事によって今期待しているような事が実現できるんじゃないかというコメントをいただいております。

ですので本来開幕してから3~4か月でコンディションが最高潮に到達するところで今は猛暑に当たってしまう状況を改善していく必要があると考えています。Jリーグでプレーすると世界基準のプレーができるとか、日本代表として戦えるとか、アスリートとして成長できるというプラットフォームにJリーグ自体を変えていく事が非常に大事なんじゃないかと考えています。2~4についてはこれまで説明してきた通りです。

また皆さんご存じかと思いますが、日本プロサッカー選手会(JPFA)の意見が11月8日にWEBでも公開されています。我々は事務局や吉田会長達とは定期的に意見交換を行っていますが、幹部の皆様以外にも多くの方がいらっしゃいますので、60クラブの支部への訪問を通じて時間をかけて意見交換をさせていただきました。

やはり、ファン・サポーターの皆様にもっとハイレベルな試合をお見せしたいという意見が一番寄せられた意見でした。またACLやヨーロッパのシーズンを揃える事にも意義があると感じていただいているというご意見でした。一方で雪国への対策を懸念する意見も大きくありましたので、今後雪国へのサッカー振興を考えた施設の整備などもJFAやJリーグに要望してまいりますというコメントでした。

雪国対策などの重要な課題については、引き続きJFAやJリーグと協議することを前提としてJPFAとして納得できる解決策が見いだせるのであれば基本的に賛成と考えているという意見表明をいただいております、週明けに選手会と意見交換する時間も取らせていただいております。

先ほどの緑の1~4を実現させることによって何を起こしていくのかという事ですが、選手がいいプレーができる環境、フットボール水準の向上、国際大会でしっかり勝っていく事、代表選手を増やしていく事、移籍金の収益を拡大させること、国際大会の賞金を獲得する、放映権などのリーグの収益も伸ばしていく、それが最終的にファン・サポーターの熱狂や、パートナーやメディアの価値提供、そして地域への貢献にもつながっていくんじゃないかと思っています。

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