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【ニュース】Jリーグの2022年度決算は5.9億円の黒字。「各クラブや理事の皆さんとどこにどんな投資をすることで良いリターンが出るのかしっかりと見極めながら、攻めていく事をしっかりやっていきたい(野々村チェアマン)」

3月16日、2023年度Jリーグの社員総会が開かれ、終了後記者会見が行われた。

社員総会で承認されたJリーグの2022年度決算について、Jリーグ太田財務経理部長が説明を行った。

主なポイントは以下の通り。
・2022年度予算は、(株)Jリーグからの各種事業移管を踏まえ、それらの事業の収益の影響を見込む一方、コロナ禍の継続に伴う新型コロナウイルス対策費を踏まえた22.7億円の大幅な赤字予算を見込んでいた。またコロナ助成金の収入が無くなること鑑みて、私たちが自主的に検査をする事を考えると大幅な赤字予算になることを想定していた。
しかし、結果としては5.9億円の黒字決算となった。
黒字になった要因としては、以下の通り。
・ACLセントラル開催による入場料収入が得られた事
・コロナの検査方法変更(PCR→抗原定性検査)によるコロナ対策費節減の影響(▲11億円)
・(株)Jリーグからの移管事業の見直し(▲7億円)
・コロナ禍による一部予算の未消費(▲8億円)

決算の説明後、野々村チェアマンは次のようにコメントした。

○野々村芳和チェアマン
「ちょうど(就任してから)1年経つので、この1年どんな感じだったのか少しだけお話させてください。
Jリーグ全体として、新たな成長戦略として2つの事を掲げています。60クラブが地域でどう輝くかという事と日本を引っ張ってくれるようなナショナルコンテンツになりうるクラブにもっと輝いていってもらう事、この2つです。この2つを各クラブや理事会で話をする中で、クラブと成長のためのマインドとか考え方を意思統一ができたのは一つ成果だったのかなと思っています。

後は声を出してどうサッカーとしての作品を取り戻すのかという事に関しては、今シーズンから全席で声出し応援が可能という事にようやくたどり着きました。さあここから元の姿を取り戻してもっと伸びていこうという段階に今来ています。

観客数は、J1とJ2が4節、J3が2節を消化した時点で、昨年比約150%増えていて、コロナ前の2019年比で90%までは来ています。ここからどういう取り組みをクラブと一緒にリーグがやっていくのかがすごく大事になると思っています。

お客様が戻ってきてくれるもしくはもっと伸びていくための一つの施策として、ローカルでの露出を拡大していこうという事で、昨年の10月から5地域で放映している地域のサッカーを応援するような番組を4月からは30地域・45都道府県で放送されます。そこを1つのきっかけとして、日本全体にサッカーがいきわたるような取り組みをしていきたいなと思っています。

先ほどの決算でも、だいぶ上振れして5億から6億の黒字になっていますが、何にどう投資していくのかが大事になってきます。各クラブや理事の皆さんとどこにどんな投資をすることで良いリターンが出るのかしっかりと見極めながら、攻めていく事をしっかりやっていきたいと思っています。

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