Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「給水の在り方がヨーロッパで先行しているリーグに比べて際立って難しい課題だと認識しています(藤村特命部長)」~2020年度第6回の理事会後の記者会見より(3)~

6月23日、Jリーグの2020年度第6回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。

今回も会見の様子をお届けしています。

(2)はこちら

Q:素朴な疑問なのですが、村井チェアマンはPCR検査を受ける予定はあるのか、または受けたのでしょうか。
「私はPCR検査を受けておりません。今回のガイドラインでは、審判員、選手、各クラブ60名の割り当てで行っていくということですので、今のところ優先順位では私は高くないと判断しております。またリモートマッチに関してはスタジアムに行くことはありません。DAZNで全ての試合を見させていただければと思いますので、そのようにご理解ください。
もし、最終節や、選手と接触する表彰などをすることになった場合、検査センターの方から受けなさいと言われれば、それに従うつもりです」

Q:先日FIFA女子ワールドカップ開催地立候補が断念されましたが、取材をしていて腑に落ちないことも多々ありました。立候補を断念したことについての村井チェアマンのお考えをお聞かせください。

「昨日、JFAの臨時理事会で議論が交わされました。多くの皆様が苦渋の決断という表現をされていたかと思いますが、私も同様の想いであります。招致に関しては全力を挙げて招致委員会の皆様が努力されていましたし、FIFAの中ではある程度高い評価をいただいていたはずですので、本当に残念なところではあります。
今回の女子ワールドカップの招致については、本当に女子のサッカーや自国のことだけを考えれば頑張りたいところでありますが、多くの地方自治体のコストの拠出も含めて、多くの負担を強いるようなことにならざるを得ないということを鑑みれば、今回の断念も理解できるものでした。本当に苦渋の判断をされたと理解しています」

Q:順位決定条件の条件について。総得点の前に当該チームの対戦成績と全試合の勝利数を条件として位置づけた経緯を教えてください。

「順位決定方法については、原副理事長からも補足していただければと思います。今シーズンは全チームが同じ試合数では終えられない可能性があります。特定のクラブが試合を消化できない中で順位を決めることになる可能性があります。試合数に得点が比例してしまう可能性がありますので、その要素をなるべく軽減するという配慮があったと認識しています」

※原副理事長が補足
「試合数が変わる可能性を考えると、得失点差は試合数が変わってもある程度一定の結果になると思いますが、その次に総得点が来てしまうと試合数が多い方がどうしても優位になりますので、総得点という条件は後にし、当該チーム同士の対戦成績を前に持ってきたという形になります」

Q:PCR検査の結果発表は水曜日の13時目途ということですが、第1回は明日(6月24日)の13時目途でよろしいのでしょうか。

「6月24日の13時時点で公表できることをお伝えすることになると思います」

※藤村特命部長が補足
「明日6月24日から発表していきたいと思います」

Q:PCR検査に関連することですが、本日J2のギラヴァンツ北九州の練習において、リーグのPCR検査を受けた選手の中で再検査の対象となる選手が出たため、練習を急遽取りやめたという経緯があったと聞いております。現状でJリーグとして把握していることで教えていただけることがあればお聞かせください。また、週末のリーグ戦に影響するのでしょうか。

村井チェアマンが回答
「私の方では正式に確定情報を聞いておりませんので何とも言えませんが、藤村さん何かありますか?」

※藤村特命部長が回答
「PCR検査では、唾液の検体の中のDNAといいますか、RNAを増殖させていきながら感染の有無を探ることになります。試薬の処理をして機械にかけた時に、すぐに結果が出る場合もある一方、すぐに結果が出ずにもう1度調べたほうが良いということが起こるのも、検査のプロセス上つきものらしいです。

普通は検査の結果を途中で取り出すことはしないのですが、今回は初めてということもあって、陰性が確定したという情報を一日でも早くクラブにお伝えしたかったので、全数が確定する前に部分的に情報を抜いてクラブにお伝えしてしまいました。

それによって、検査のプロセスの中で何回か検査に通さないと結果がはっきりさせられないものに対して、結果がはっきりしませんという伝わり方をクラブにしてしまったため、ひょっとしたら陽性の可能性があるのではないかという受け取り方をクラブがしてしまい、北九州のようなアクションになったということがありました。結果のお伝えの仕方をスマートな運用にできなかったために、やりとりの中で齟齬が生まれてしまいました。

その選手は陽性の疑いがあってとか検体がおかしくてということではなく、検査の途中だっただけですので、そのことをもって何かが疑わしいということや行動が規制されるということは本来は無いことでした。ですので、プロセス上の手違いで起こってしまったこととご理解いただければと思います。

※村井チェアマンが補足
「検査結果が出るまでの間のプロセスは、個々で時間差があったり、人によって違ったりしますので、その結果が出るまでは活動を控える必要はないという認識でおります。
今藤村が言ったように、途中情報で誤ったような情報の伝わり方がしないように、我々も初めてのことだったので多少混乱しましたが、この後しっかり対応してまいりたいと思います」

Q:再開に向けてJ1を中心に練習試合が行われている中で、複数の選手が給水の難しさを指摘していて、現状のやり方だと難しいと話しています。ガイドラインにも給水の方法は示されていますが、ある程度緩和するなど、何かお考えがあれば教えていただけますでしょうか。

※藤村特命担当部長が回答
「日本は6月末~7月という暑熱下の状況で再開していくので、給水のあり方がヨーロッパで先行しているリーグに比べて際立って難しい課題だと認識しています。先行して再開したドイツやイングランドとビデオ会議をして『給水はどうやっているのか』と聞くと、それほど暑くないので『飲水タイムのときに自分の名前の付いたボトルから飲むことで充分対応できているよ』という答えしかいただけなくて、たぶん日本の暑熱下の試合では水分補給は難しいと思います。

ただ、やはりコロナウイルスが心配される中で、濃厚接触を極力減らしながらサッカーをやっていくという観点からすると、必ず自分のボトルから水を取っていただくことは徹底せざるを得なくて、そこはクラブの運営やトレーナーの皆さんと議論は重ねましたが、最後は各クラブの創意工夫にお任せする形になりました。

飲みきりのペットボトルをたくさん置くクラブもあるでしょうし、名前付きのものを分かりやすくする工夫をされるクラブがあるとも伺っています。そのようなことが少しでも選手の皆さんの助けになるようにと思っています。ただし、やはりしばらくは自分専用のボトルから水分を取ってくださいということをお願いしていかないといけないと思っています。

Q:追加でお聞きしますが、一定の気象条件での飲水タイムはありましたが、条件を緩和するというお考えは今のところは特にないということでよろしいでしょうか。

※黒田本部長が回答
「再開後の飲水タイムについてはどんな条件下でも必ず前半に1回、後半に1回設けるということで今調整しています。9月末までは、その方法で実施します。選手達が一定程度試合の中で、今まで通り飲水ができないという前提に立って、選手の安全に配慮した形で飲水タイムを設けることにしています」

(4)へ続く

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