Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

リーグを再開する場合、目安となる条件とは?「1つは基本再生産数(R0)。これがある一定のレベル以下になること。もう一つは各球団(クラブ)の準備状況。教育啓発あるいは物品の準備。その2つがキーになると思います。(三鴨教授)」

Q:(村井チェアマンへ)準備という事で言えば、Jリーグはチーム数も試合数も多いので野球よりもハードルが高いのではないかと思います。いつから再開できるのかということが目標になるわけですが、準備が出来そうなイメージはありますか?
「Jリーグは全国に56クラブがありますので対象となるクラブは大変多いです。今回は先ほど三鴨先生からもお話がありましたが、医学界としていわゆる基本再生産数という基本再生産数(R0)という数値がどう推移するかという医学的な見地が1つ。それともう一つは我々側がどういう備えをするのか、その両面だと思います。我々やクラブ関係者が準備するものと、リスクがゼロにならない状況下においては、ファン・サポーターの皆様にご理解いただきご協力いただく部分が多々出てくると思います。

例えばマスクが十分ではない状況の中では、バンダナで口を結んだりやタオルマフラーで予防するとか。ハイタッチやハグをしない観戦スタイルをお願いしないといけないかもしれません。サーモグラフィが準備できない場合は自己申告をお願いするとか、ファン・サポーターの皆様に様々なことをお願いしなくてはいけないので、10日前後でできるものではないと思います。

表現として適切な言葉が出てきませんが、お客様に自己努力や自己責任を求めるのであれば、リーグやクラブ側は最大限の努力をする必要があると思っています。少し間隔を空ける席割の考え方やサーモメータ―や様々な物資を入手する努力をするとか、プロトコルを整備して啓発に努めるとか。そういったことは12日に各論が出てくると思いますので、そうした内容を最善を尽くしたいと思っています。
この両面が整う場面―医学的な見地もありますので私の立場からは申し上げにくいですが―政府の専門家会議では初動の2週間、次の2週間がジャッジポイントというお話もありましたので、我々としては少なくとも3月中にそういった準備ができるように努力していきたいと思います」

Q:(斉藤コミッショナーへ)野球の場合、連日試合がありますしなおかつ今年はオリンピックのための中断もあります。日程の調整は難しいと思います。コミッショナーもおっしゃっていますが、143試合が大前提だとおっしゃっていますが、そのへんの調整をどのように見通しをされていますか?また今日の午後の会議は、代表者会議ということでしょうか?
「代表者会議です。延長するかどうかを含めて決めていきますので。
試合をどうするかという話ですが、回答があれば一番楽なんですが、143試合は極力やりたいと思っています。そのためにどういう条件がそろえば可能かとか、オリンピックがあった途中が抜けますので、非常に難しい算数を解かなければいけないです。いくつかなイベントをやらないでやるとか寒くなる時期まで伸ばすとか、今回の病気の条件次第なんですけど。普通に考えれば、5月前とかスタートできない状況があればオリンピックそのものにも影響してきますので、そのことも含めて、基本は143試合をどうやるのかということを考えていく次第です」

Q:(村井チェアマンと斉藤コミッショナーへ)日程を再編するために動くと思いますが、次の再開に向けてはこういった会議を開くのか、専門家のご意見を受けて、再開するための決断をする流れになるのでしょうか?
※村井チェアマン
「Jリーグとしては、今回の2回にわたる連絡会議で得られた知見が大変貴重なものですから、どのくらいのインターバルできるかは先生方とのご相談になりますが、基本ご助言をいただきながら、基本再生産数というアールゼロという概念は私の中にはありませんでしたし、そういったベンチマークがあることは大変参考になりましたので、今後もご教授いただきたいなと思います」

※斉藤コミッショナー
「同じですが、賀来先生の方から地方にアドバイザーを全国に6~7名くらいご推薦いただくという話が今日出ました。具体的なお名前もいただきました。この方々ともお話させていただきながら、また先生方のお話も伺いながら結論を出していくことになると思います」

Q:(賀来教授へ)延期、準備態勢が難しい、逆にこの状況下、すべて整っていたとしても
「私の言葉が足りなかったかもしれません。いくつかの複合的な要因と捉えていただいて、昨日一昨日よりも減りましたが、感染が広がっている状況、準備状況もしっかりとおこなっていきたい。万全であるとなっても、1週間~2週間確認してほしい。患者さんが減っている状況であっても、感染のリスクはゼロにはなりませんが、かなりリスク管理を徹底していただいていますが、この1~2週間もう少しさらに確認していただきたい。準備が完全に整っていたとしても、患者さんが増えている中では増えていく可能性は否定できません。政府も3月15日もしくは20日に判断をこれからされるでしょうから、そういったことも含めて、総合的に判断していく時間をぜひお願いしたいということでした」

Q:(賀来教授へ)仮にどんな万全な準備態勢を敷いてもても、今のような患者数が増加している状況が続いていると、再開の判断は難しいということでしょうか?
「選手への管理を徹底していただく。あるいは選手やスタッフ側に感染患者が出ない状況であれば、無観客の期間を一定期間設けるとか、その後に感染の状況を見ながら例えば1/3、あるいは1/2というふうに観客数を段階的に増やしていとか。そういった柔軟な体制も一方では必要なのではという議論も出ました。この状況で全く開催できないということではなく、観客のリスクを最大限下げるという意味では無観客でやるということも選択肢としてはあり得る訳です。そういったこの状況の中で見ていこうという事です」

※三鴨教授が補足
「両スポーツとも、マスギャザリング(不特定多数の方が集まる状況)です。(感染の)リスク因子になっていますので、そのように考えていただいて結構かと思います。

Q:(村井チェアマンと齋藤コミッショナーへ)先ほど賀来先生の方から『無観客』という話が出ました。収入源としても大事なことでし、一方で村井チェアマンのこれまでの発言を聞いていると、無観客に関しては否定的な印象を受けています。無観客で開催することに関して、どういうお考えや認識を持たれているか教えてください。

※村井チェアマン
「おそらく野球とサッカーというそれぞれの特殊性に起因するものもあるのではないかなと思います。サッカーは人が足を使って競技するものですからミスが起こりやすいです。得点が他の競技に比べて非常に少ないのが特徴です。コンマ1cm触ればシュートにもなりますし、1cmでも足が少しでも伸びればシュートブロックになります。ギリギリの中でしているサッカーの中では、観戦者の声援や支援が後ろ盾になっているという実感があります。今日の答申では無観客も含めて延期すべきという、選手や家族を守るための期間ですが、こうした中で言うと、なるべく無観客ではなく日程調整の中で進めたいと思います。

それでも、今回新型インフルエンザの特措法が13日にも法案化されると聞いています。先ほどもありましたが、緊急事態宣言が発令されたエリアでは、競技そのものが禁止になる可能性があり、お客様を入れた試合ができなくなります。状況に応じて柔軟に判断していかなくてはいけないとあるかもしれません。そういった意味では今日頂いた助言をベースにしながら、クラブを通じてファン・サポーターの皆さんとのコミュニケーションをしっかりやっていく中で、解を見つけていきたいと思います」

※斉藤コミッショナー
「無観客で野球をやらねばならない状況はどんな時かと考えますと、お客さんを入れてはいけない状況ですよね。今オープン戦もそういう状況ですが、先ほどもお話が出たような、基本再生産数がまだ危ないと。お客さんが球場に集まったらどんどん増えていく可能性がある。また球場に入れようとしたら、様々な設備やアルコールなどの物品が揃わない。そういうような状況で野球を開催するかどうかという状況なんですね。私がどうだということはできないのですが、まさしく12球団と話すことになるますが、個人的な感覚で言えば、最後の最後の選択、ほとんどあり得ない選択だと、私は思います」

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